「大型モックアップ製作に3Dプリンタは適さない」は過去の話、1m大の造形が実現する新展望最新3Dプリンタ事情

製造現場などで3Dプリンタを活用するケースが多く見られるようになってきたが、白物家電、自動車、船舶、航空宇宙といった大型の製品モックアップや試作部品を必要とする現場では、かつてのイメージから「大型モックアップ製作に3Dプリンタは適さない」といった声も聞こえてくる。果たしてその通りなのだろうか。ストラタシスのFDM方式3Dプリンタ「F770」の存在を知れば、大型モックアップ製作に対する3Dプリンタのイメージが大きく変わるはずだ。

» 2021年08月19日 10時00分 公開
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 「製品モックアップや試作の外注コストを削減したい」「試作回数を増やしてより良い製品開発につなげたい」といった思いから、3Dプリンタを導入・活用するケースは珍しくない。だがその一方で、「検討したことはあるが、造形品質の面で満足するものが作れなかった」「試しに使ってみたが、コスト感が合わなかった」といった理由から導入に至らなかった現場があるのも事実だ。

 特に、白物家電、自動車、船舶、航空宇宙といった大型の製品モックアップや試作部品を必要とする現場から、こうした声が聞こえてくる。3Dプリンタによる大型造形のどこに課題を感じているのだろうか。

 まず考えられるのが、造形サイズだ。使用する3Dプリンタの最大造形サイズ以上のものを出力する場合、複数パーツに分割して造形し、後から張り合わせるという方法もあるが、前後処理に手間がかかる上、精度や強度を求めることは難しい。また、ある程度大型の造形物を出力できる3Dプリンタも存在するが、歪みや反りが発生してうまく造形できなかったり、期待する精度が出なかったりと品質面での課題に直面することも多く、大型である分、材料費などのランニングコストも重くのしかかってくる。

 3Dプリンタ導入によって、期待する効果が得られなければ投資する意味がない……というのが、“これまでの”大型モックアップ製作を必要とする現場の本音ではないだろうか。

大型モックアップ製作に対する3Dプリンタのイメージが大きく変わる

 大型モックアップの製作に3Dプリンタは適さない。その根拠となっているのが「検討したことはあるが、造形品質の面で満足するものが作れなかった」「試しに使ってみたが、コスト感が合わなかった」といった過去の経験だろう。だが、3Dプリンタを取り巻く技術は目まぐるしく進化しており、以前できなかったことが、今では当たり前のようにできるといったことも珍しくない。そんな3Dプリンタの進化を象徴する、ストラタシスのFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタ「Stratasys F770」の存在を知れば、“これまでの”大型モックアップ製作に対する3Dプリンタのイメージが大きく変わるはずだ。

大型のモックアップや試作、治具の製作などに最適なFDM方式3Dプリンタ「Stratasys F770」 大型のモックアップや試作、治具の製作などに最適なFDM方式3Dプリンタ「Stratasys F770」 ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 ストラタシスは、30年以上にわたってFDM方式3Dプリンタの研究開発に取り組んでおり、大型造形に対応し、試作だけでなく最終製品/パーツ製造にも利用可能な工業向けハイエンド3Dプリンタ「Stratasys F900」なども提供している。このハイエンド機種であるF900に対し、F770はモックアップや試作、治具の製作をメインターゲットに据えたコストメリット重視の最新機種となる。国内500台以上の導入実績を誇る「Stratasys F123シリーズ」をベースに開発されており、定評のあるストラタシスのテクノロジーとノウハウに基づく信頼性、安定性は言うまでもなく、性能・品質面での妥協も一切ない。

ストラタシスのFDMシステムポートフォリオについて ストラタシスのFDMシステムポートフォリオについて ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 F770の最大造形サイズは1000×610×610mmで、積層ピッチは0.178/0.254/0.330mm。大型造形ニーズに対応できる必要十分なビルドボリュームを確保している。使用できる材料は、試作などでも幅広く活用されている「ABS-M30(ブラック)」と「ASA(アイボリー)」の2種類で、取り扱いが容易なカートリッジ式での提供となる。サポート材は可溶性の「SR-30」に対応する。

 F770は使用可能な材料を限定し、主な用途をモックアップや試作、治具の製作に割り切ったことで、ユーザーにコストメリットをもたらす、非常にバランスの良い機種に仕上がっている。本体価格も1000万円程度と、比較的手が届きやすい価格帯で提供されている。また、気になる材料費については、従来比3分の1程度に抑えられているため、ランニングコストを必要以上に気にすることなく運用できる。

造形時間と材料コストの比較 造形時間と材料コストの比較 ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

実験用の大型船体模型の製作に3Dプリンタを活用

 3Dプリンタで大型モックアップを製作する上では、コストメリットも重要なポイントとなるが、高精度であることも欠かせない。実物に近いモックアップを製作できるという利点だけでなく、リアルスケールあるいはスケールモデルとして実験や解析などに使うことができるからだ。

 開発段階において、実物大での検証が不可能な船体の大型模型(スケールモデル)を3Dプリンタで造形し、それを流体試験に使用している三井造船 昭島研究所の事例を紹介しよう。

 現在、船舶業界には環境に関わる2つのミッションが与えられている。1つは、温室効果ガスを2050年までに半減すること。そのためには、まず船体の形状をこれまで以上にエネルギー効率の良いものにしなければならない。もう1つは海洋生物に悪影響を与えているプロペラのキャビテーションに伴う騒音を軽減すること。対策として、プロペラ付近に取り付ける「省エネ付加物」と呼ばれる部品を開発する必要がある。

 これらの研究開発では、木材を加工したり、木型にワックスを流し込んだりして製作した船体模型を実験用プールに浮かべて行う検証と、コンピュータ上での流体シミュレーションが繰り返し行われる。ここで課題となるのが、船体模型の製作だ。具体的には、前述のような工法を用いて職人の手によって製作されるわけだが、外注コストはもちろんのこと、完成までに時間を要するため、実験できる回数が限られる上に、さまざまなバリエーションを試験することが難しい。当然ながら、検証結果を受けての部分的な修正をスピーディーに行うことも困難だ。また、基本的に新規設計での対応となる省エネ付加物の実験についても、本来であれば、できる限り多くの形状パターンを検証したいところだが、同様の理由から実現が難しい状況にある。

 三井造船 昭島研究所では、こうした課題を解消するために、ストラタシスの3Dプリンタを活用。ストラタシスが展開する造形サービス「DFP(Digital Factory Portal)」を利用して、船体模型を3Dプリンタで製作した。その際、船体をあえて複数に分割して出力しておくことで、部位ごとにパーツを差し替えできるようにし、実験時に複数バリエーションを検証できるようにした。また、一部の内部構造を中空モデル化することで、造形時間の短縮や材料コストの削減、軽量化などを図った。省エネ付加物に関しても、多くのパターンを手軽に検証できるようになった。こうした創意工夫は、3Dプリンタだからこそ実現できたポイントだといえる。

船体の大型模型(スケールモデル)を3Dプリンタで造形した(三井造船 昭島研究所の事例より) 船体の大型模型(スケールモデル)を3Dプリンタで造形した(三井造船 昭島研究所の事例より) ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 ここでは、環境対応という大きなミッションの中における、3Dプリンタを活用した業務改革の一例を紹介したが、船舶に限らずあらゆるモノづくりの中で、新たな取り組みが求められるシーンは今後も増えていくことだろう。

 ストラタシス・ジャパン マニュファクチャリング&プロダクションソリューション マネージャーの助川尭章氏は「人材不足、技術継承といった現場の問題、省エネ、SDGs(持続可能な開発目標)などの時代の要求、あるいは今回のコロナ禍で浮き彫りになった課題など、今のモノづくりにはさまざまなテーマがある。過去の蓄積や現状をブラッシュアップするだけでは対応できないことも増えてきている。新たな開発のためにトライ&エラーを繰り返し行いたいというニーズに対し、3Dプリンタは強力なソリューションを提供できる」と話す。

3Dプリンタによる大型造形、その活躍の場と可能性

 例えば、家電のデザイン。近年は、白物家電に関してもデザイン性を重視する傾向が強まっている。消費者はスタイリッシュなデザイン、あるいはコンパクト、薄型などを求めるようになっている上、コロナ禍で、家の中で快適に過ごすことへの関心も高まっている。各メーカーも機能、性能に加え、デザインにも工夫を凝らしているが、F770の造形エリアがあれば、必要なときに、容易に短時間でモックアップを作れる。それも今まで以上に、たくさんのデザインを検討することができるのだ。

 さらに、省エネや環境対応のようなアプローチでは、わずかな形状の違いで性能や効率に差が出るファンはカギとなるパーツといえる。求められる性能要件を満たしつつ、ロスなく、高効率にファンを回すだけでなく、高い静音性などが求められる場合もある。これらの要求に応えるためには、机上でのシミュレーションのみならず、前述の事例のようなリアルスケール/スケールモデルでの実験が重要となり、さまざまなバリエーションを迅速かつ高精度に造形できるF770の存在が欠かせない。

 「実験によって得られるデータは、企業の貴重な資産だ。しかし、これまでは実験用模型の製作に時間とコストがかかっていたため、実験回数を増やしたり、さまざまなバリエーションを検証したりといったことが気軽にできなかった。こうした現場でF770を活用すれば、高精度な実験用模型の製作を内製化できるため、これまで以上に多くの実験データが得られるだろう」と同社 プロダクト&サービス部 セールスアプリケーションエンジニア チームリーダーの竹内翔一氏は述べる。

 実際、空調機器の開発などでは、コンセントデザイン段階での形状確認だけでなく、機能試験や検証用のモデル製作にも3Dプリンタが活用されている。また、自動車業界でも、3Dプリンタで製作した車体のスケールモデルを利用して風洞実験などを行っているという。「大型モックアップの製作に3Dプリンタは適さない」というのはもはや過去の話で、3Dプリンタによる大型造形は設計・デザインの検証にとどまらず、実験の場においても各業界で活用が進みつつあるのだ。

空調機器での適用イメージ(DMM.comの事例より) 空調機器での適用イメージ(DMM.comの事例より) ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]


 現在、大型モックアップの製作を外注しているのであれば、少し考えてみてほしい。実際に負担となっているのは、外注費だけではないはずだ。見積もり、納期調整などのやりとりの時間や手間、納品を待っている時間もある。万が一不備があればやり直しの必要があるかもしれない。実際にものを手にするまでの付帯業務は、結構なストレスになっていることだろう。

 F770の導入によってこれらを内製化できれば、コストも時間も自分でコントロールできる上に、デザインの検討時間や試作/実験の回数を増やすことができる。また、造形ノウハウを社内に蓄積することも可能だろう。こうした取り組みは、自社製品の競争力強化にもつながるため、単なる“外注費の削減”以上に大きなメリットをもたらすはずだ。

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提供:株式会社ストラタシス・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年9月18日