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» 2021年08月24日 12時30分 公開

EMSからDMSへ、モノづくり力で産業DXを支えるOKIの進化製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)

あらゆる産業でDXを含めた大きな変化が巻き起ころうとする中、これらを支える機器や機械製造での開発負担が増している。こうした状況を支援するために業容を拡大しているのがOKI EMS事業部である。新たにEMSだけでなくDMSの受託拡大を目指そうとする同事業部の取り組みについて、新たに事業部長に就任したOKI 執行役員の西村浩氏に話を聞いた。

[三島一孝,MONOist]

 DX(デジタルトランスフォーメーション)などにより、あらゆる産業で大きな変化が巻き起ころうとする中、これらを支える機器や機械でもさまざまなデジタル技術を内包するものに変化が起きつつある。こうした中、従来は電子技術や無線技術などに無縁だった企業がこれらを取り扱う必要が出てきており、開発負担が高まっている状況がある。こうした状況を支援するために業容を拡大しているのが、EMS(Electronics Manufacturing Service)を展開するOKI EMS事業部である。

 新たにEMSだけでなく設計開発まで請け負うDMS(Debelopment&Design Manufacturing Service)の受託拡大を目指そうとする同事業部の取り組みについて新たに事業部長に就任したOKI 執行役員の西村浩氏に話を聞いた。

EMSからDMSへカバー範囲を拡大

MONOist DMSの強化を大きなポイントと挙げています。なぜDMSへの取り組みを強化するのでしょうか。

photo OKI 執行役員 EMS事業部長の西村浩氏

西村氏 外部的な環境面と内部的な事業面の両面で価値がある。環境面でいくと、あらゆる産業でDXなどが進む中、使用する機器やそれらで使う技術についても、従来の産業の枠組みだけでおさまらないものが求められるようになっている。こうした中で、さまざまな産業に特化した製造業でも開発負担が高まっており、自社内で全ての開発を行うのが難しい状況も生まれてきている。そのため、こうした開発を外部で担う役割が広がってきている。

 例えば、OKIはもともと情報通信や無線技術を抱えているが、DXが進む中で従来ネットワーク活用を想定していなかった機器でも無線通信技術を組み込むケースなどが出てきている。こうした無線通信技術はモジュール化されているものも多いが、産業向けなどで安定稼働を行うためにはノウハウなども必要になる。EMSとして生産を請け負うだけでなく、こうした開発のコツなども含めて設計部分も担ってほしいというニーズが高まってきており実際に相談も増えていた。これらに応える必要があった。

 一方で、事業としてもEMSだけではスマイルカーブの底を担うだけだったが、設計領域までを担うことで付加価値を高めることができる。また、設計も合わせて担うことで製造しやすい形の設計を行うことができる他、部品の選定なども自由に行えるようになり、EMS部分の収益性も高めることができる。顧客に対してもリードタイムの削減や原価低減などの効果を還元できるようになる。

 これらの点からDMSの比率を高めることを目指している。現状ではDMSの売上高はEMSの半分以下だが、2022年度以降は50%以上に引き上げる。DMSでのポートフォリオをいかに増やすかが重要だと考えている。設計案件が受注できれば、そのまま量産に向けたEMSの受注も必然的に増やすことができる。何年後かの受注のめどが立つようになり、事業運営の予想が立ちやすくなるという利点もある。1社でも多くDMSでの受注を増やし、関係性を広げていくことが重要だ。

photo DMSの推進領域(クリックで拡大)出典:OKI
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