日立アステモとアイシンが共同開発、新型「ランクル」の減衰力調整式アブソーバー車両デザイン

日立Astemoは2021年8月30日、トヨタ自動車の「ランドクルーザー」の新モデルに減衰力調整式アブソーバーが採用されたと発表した。アイシンと共同開発した。

» 2021年09月01日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日立Astemoは2021年8月30日、トヨタ自動車の「ランドクルーザー」の新モデルに減衰力調整式アブソーバーが採用されたと発表した。アイシンと共同開発した。

 開発品は伸びと縮みの減衰力を共通機構で調整するのではなく、個別に調整できる機構としたことによって、より適切な減衰力制御が可能になった。また、従来はサスペンションの外側に取り付けられていた減衰力制御バルブをショックアブソーバーに内蔵することで構造を簡略化。体積を従来製品と比べて20%削減し省スペース化するとともに、30%の軽量化を達成した。

 日立Astemoは日立オートモティブシステムズとケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合して2021年1月1日付で発足した。出資比率は日立製作所が66.6%、ホンダが33.4%となる。4社の経営統合で各製品のシェアが伸びることを生かし、自動車の電動化やシャシーの統合制御に注力する。また、日立製作所と協力して自動運転システム向けのソフトウェアやECU(電子制御ユニット)の開発を強化していく。

 アイシンは2012年から減衰力調整式アブソーバーシステムの開発に取り組んできた。高精度に車両状態を推定するアルゴリズムと減衰力調整幅の広いアブソーバー、最適な制御を行うECUをシステムで開発することにより、高い性能を実現するとしている。

 新型ランドクルーザー向けにはオフロード用制御を新開発。接地輪を高減衰に、非接地輪を低減衰西、対角輪の減衰力を適切に制御することで、本格オフロードでの走破性や車両安定性を高める。

 新型ランドクルーザーは、歴代モデルで培ってきた信頼性や耐久性、悪路走破性を進化させて継承。また、既存モデルで走り込む中で開発者が感じた「運転していて疲れる」という課題を解決し、どんな道でも運転しやすく疲れにくい走りを目指した。車両の全長やホイールベース、対地障害角は従来モデルから変更せず、扱いやすさを継承させた。室内は、着座位置やシートの配置を見直し、居住性や荷室容量と衝突安全性を両立させた。

→その他の「エンジン/トランスミッション/足回り」関連記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.