「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

ホンダとGMが日本で自動運転車による移動サービス、独自の高精度地図作製から開始モビリティサービス

ホンダは2021年9月8日、自動運転車による移動サービスの実現に向けて、9月中に技術実証を開始すると発表した。

» 2021年09月09日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダは2021年9月8日、自動運転車による移動サービスの実現に向けて、9月中に技術実証を開始すると発表した。同事業はGM(General Motors)やGMクルーズ(以下クルーズ)と共同で展開する。高精度地図の作製や、移動サービス向けの車両の開発も、3社で行う。サービスの事業運営は、B2BとB2Cの両方に向けて検討し、ホンダ子会社のホンダモビリティソリューションズが担う。

 技術実証の対象地域は栃木県宇都宮市と同県芳賀町だ。同地域の高精度地図作製からスタートし、2022年から移動サービスの公道実証を実施する。ダイナミックマップ基盤の高精度地図ではなく、独自に地図測量車両を走らせてマッピングするという。使用する地図測量車両は1台の予定だ。

高精度地図の測量車両(左)公道実証で走らせる自動運転車「クルーズAV」(右)(クリックして拡大) 出典:ホンダ

 使用する自動運転システムは、ホンダとGM、クルーズの3社が米国で開発しているもので、日本の交通環境や法令に適合させた上で技術実証を行う。「レジェンド」に搭載したレベル3の自動運転システムの派生ではない。日本向けの適合では、信号の他、緊急車両や警察官の誘導への対応がハードルになると見込む。

 公道実証で使用する車両はクルーズのレベル4にも対応する自動運転車「クルーズAV」だ。一般の交通参加者がいる中で走行することが1つのハードルとなる。公道走行では安全を重視し、緊急時に車両を操作するオペレーターと、周辺を監視するオペレーターの2人が乗車する。公道走行で使用する自動運転車の台数については回答しなかった。

 クルーズはGMが主要株主で、ホンダの他、マイクロソフト(Microsoft)やウォルマート、ソフトバンクビジョンファンドが出資している。自動運転車の走行実験では、米国カリフォルニア州でクルーズは2020年に年間77万マイル以上を走行した。ドライバーが運転に介入する頻度は、4.5万kmに1回程度だとしている。また、サンフランシスコ市内で完全な無人運転での公道走行にも成功している。

 レベル4の自動運転車を使った移動サービスでは、技術を確立するだけでなく、サービスを展開したい地域に合わせることも重要だとしている。中規模な都市だけでなく、大都市から観光型の地方都市まで、さまざまな地域でニーズを探る。

レベル4の自動運転車を使った移動サービスのイメージ(クリックして拡大) 出典:ホンダ

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