「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2021年09月10日 06時00分 公開

日産が3回目の移動サービス実証実験、「商用化に向けた前進」がテーマにモビリティサービス

日産自動車は2021年9月9日、モビリティサービス「Easy Ride」の3度目の実証実験を実施すると発表した。期間は9月21日〜10月30日で、事前に募集したみなとみらい(横浜市西区)の在住者や在勤者200人が乗客として参加する。車両は「eNV200」を4台使用。乗降地点を前回の実証実験から8カ所増やして23カ所とし、利便性を高める。

[齊藤由希,MONOist]

 日産自動車は2021年9月9日、モビリティサービス「Easy Ride」の3度目の実証実験を実施すると発表した。期間は9月21日〜10月30日で、事前に募集したみなとみらい(横浜市西区)の在住者や在勤者200人が乗客として参加する。車両は「eNV200」を4台使用。乗降地点を前回の実証実験から8カ所増やして23カ所とし、利便性を高める。

実証実験で使用するeNV200(クリックして拡大) 出典:日産自動車

 使用する車両はレベル2の自動運転に相当し、ドライバーが運転席に座る。しかし、23カ所の乗降地点に対して650種類以上のルートが設定されており、その中で路上駐車など障害物を回避する走行軌跡の決定や交差点での行動を決める判断、他の車両の割り込み予測など、将来の市街地での無人運転を想定した技術検証を行う。

みなとみらいに多い場面でもスムーズに走行できるよう検証する(クリックして拡大) 出典:日産自動車

 今回の実証実験では、乗車の予約や乗降地点までの案内、乗車前の操作(到着ボタン押下、乗車コード入力)をNTTドコモのオンデマンド交通システム用アプリから行う。NTTドコモはオンデマンド交通システム「AI運行バス」を商用化しており、21都道府県の46カ所で、48万人が利用した実績がある。日産自動車は、Easy Rideと既に商用化されたサービスを連携させることで、事業のエコシステムとして進化させたい考えだ。

「もうからない移動サービス」は合わせ技で改善を

 過去の実証実験は2018年2月と、2019年2〜3月に実施。将来の無人運転車によるサービス提供に向けた課題を洗い出すことが目的だったが、サービス用車両の走行だけでなく、ユーザーの乗降にもハードルがあることが分かった。乗り降りする場所の確保だけでなく、ユーザーが安全に乗降できなければならない。安全確保で乗降地点にスタッフを配置するのではモビリティサービス運営のコストが大幅に上がるため、2度目の実証実験では乗降地点の無人化に向けた安全確保や、リスクを低減するプロセスの設計などに取り組んだ。

 3度目の実証実験となる今回は、現実的な事業に近づけることがテーマで、利便性に直結する乗降地点の密度や待ち時間、ユーザーが支払ってもいいと思う料金など、無人運転車によるモビリティサービスの許容範囲を探る。

 Easy Rideを担当する日産自動車 常務執行役員の土井三浩氏は、「首都圏、地方、物流のそれぞれに移動の課題がある。とはいえ、都会はまだ移動が便利で、地方の課題の方が深刻なのではないか。地方の移動の問題は『もうからないこと』だ。もうからないから、公共交通の維持が難しい。もうからない移動を変えるには、鉄道よりも身軽な自動車が適しているが、MaaS(Mobility-as-a-Service)だけではなく、EV(電気自動車)や地域の電気のマネジメント、車両やバッテリーのリユース、貨客混載、省人化できる自動運転など、組み合わせて移動のコストを改善していくことが必要だ」と語る。

MaaSだけでなく、さまざまな合わせ技で地方の移動のコストを改善する必要がある(クリックして拡大) 出典:日産自動車

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