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» 2021年09月13日 15時00分 公開

レム睡眠中に脳がリフレッシュされる仕組みを解明医療技術ニュース

京都大学は、脳内の微小環境を直接観察する技術を開発し、睡眠中の脳がリフレッシュされている仕組み解明した。レム睡眠中に大脳皮質の毛細血管へ流入する赤血球数が増加しており、活発に物質交換をしていることが示唆された。

[MONOist]

 京都大学は2021年8月27日、脳内の微小環境を直接観察する技術を開発し、レム睡眠中に大脳皮質で活発な物質交換が行われ、脳がリフレッシュされている仕組みを解明したと発表した。

 ヒトを含む哺乳類の睡眠は、夢を見る状態のレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠という2つの状態から構成される。今回の研究では、組織深部を観察できる二光子励起顕微鏡を用いて、睡眠中のマウスの脳における毛細血管中の赤血球の流れを直接観察した。

 その結果、マウスの大脳皮質の毛細血管へ流入する赤血球数は、活発に運動している覚醒時とノンレム睡眠中では差がないが、レム睡眠中は2倍近くに増加していた。このことから、大脳皮質の神経細胞は、レム睡眠中に活発に物質交換をしていることが示唆される。

キャプション レム睡眠中の毛細血管の血流の大幅な上昇を発見(クリックで拡大) 出典:京都大学

 一方、アデノシン受容体の1種であるA2aR欠損マウスでは、レム睡眠中の毛細血管の血流上昇がほとんど生じなかった。つまり、カフェインの標的物質として知られるアデノシン受容体が、レム睡眠時の血流上昇に重要であることが分かった。

 脳の血流は、老廃物を回収するという物質交換の役割を担っており、その失調はアルツハイマー病などの神経変性疾患の進行に関わっているとされている。近年では、レム睡眠の割合が少ない成人は、認知症発症リスクや死亡リスクが高いという報告も複数されている。

 今回の研究により、大脳皮質の神経細胞は、レム睡眠中に活発に物質交換をしており、レム睡眠の不足が認知症の発症リスクに関与している可能性が示された。レム睡眠の割合を効率的に増やす睡眠薬や、新たな認知症の治療法開発につながることが期待される。

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