DXの次は「QX」の時代、国内の量子関連技術をどう生かすか製造マネジメント メルマガ 編集後記

技術開発と社会実装を両輪で進めていかなければなりません

» 2021年09月21日 12時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 この記事は、2021年9月21日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


 先日、東芝が「東芝オンラインカンファレンス2021 TOSHIBA OPEN SESSIONS」を開催しました。同カンファレンスは東芝グループが保有する技術資産に関する話題を中心に、講演形式やディスカッション形式で解説するものです。2021年のテーマは量子コンピュータなどの量子関連技術でした。量子コンピュータや量子暗号通信(QKD)、シミュレーテッド分岐マシン(SBM)などについて、東芝グループの研究責任者や外部専門家らが解説を行いました。

 量子コンピュータと聞くと非常に未来的な技術であるようにも思えますが、既に足元では大企業や大学、研究機関が互いに連携しながら、その実用的価値を確かめようとする動きが出ています。2021年7月27日には東京大学とIBMが共同で、ゲート型商用量子コンピュータ「IBM Quantum System One」を稼働させました。同大学が発足した量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII協議会)の加盟企業を中心に、さまざまな国内企業や公的団体が研究開発に利用する見通しです。

 さて、カンファレンスでは東芝デジタルソリューションズ 取締役社長の島田太郎氏による基調講演も行われました。同氏は講演の冒頭、今から20年後には量子関連技術が社会や産業に大きな変化をもたらすと“予言”します。そして、その変化をDX(デジタルトランスフォーメーション)になぞらえて、「QX(クオンタムトランスフォーメーション)」と表現しました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.