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» 2021年09月27日 06時30分 公開

容量密度は黒鉛の2倍、NTO採用のEV向けリチウムイオン電池が2023年度に商業化へ組み込み開発ニュース

東芝と双日、ブラジルのCBMMの3社は、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide:NTO)を用いた次世代リチウムイオン電池の商業化に向けた共同開発契約を締結したと発表した。EV向けに、高エネルギー密度かつ急速充電が可能な次世代リチウムイオン電池として2023年度の商業化を目指す。

[朴尚洙,MONOist]

 東芝と双日、ブラジルのCBMM(カンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン)の3社は2021年9月24日、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide:NTO)を用いた次世代リチウムイオン電池の商業化に向けた共同開発契約を締結したと発表した。EV(電気自動車)向けに、高エネルギー密度かつ急速充電が可能な次世代リチウムイオン電池として2023年度の商業化を目指す。

 NTOは、リチウムイオン電池の負極材として一般的に使用される黒鉛と比べて2倍の理論体積容量密度を持つ材料である。3社は2018年6月、NTOを用いたリチウムイオン電池負極材の共同開発契約を締結しており、東芝の研究開発センターが中心となって開発を進めていた。今回、試作セルの開発完了を受けて、商業化に向けた量産プロセスの確立および早期の市場投入に向けて、さらなる協業を進めるに至ったという。

試作セル(左)とNTOの粉末(右) 試作セル(左)とNTOの粉末(右)[クリックで拡大] 出所:東芝

 CBMMは、フォルクスワーゲングループで商用車ブランドを統括するTRATON傘下の子会社で、ラテンアメリカ地域におけるEVトラックの開発と生産で先行するフォルクスワーゲン・カミニョイス・イ・オニブス(Volkswagen Caminhões e Ônibus)と契約し、NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の実導入に向けた実証実験を行う。東芝と双日は、この実証実験に協力し、フォルクスワーゲン・カミニョイス・イ・オニブスが設計した新型商用EVに搭載されるNTOを用いた次世代リチウムイオン電池の特性および車両運行データの収集を行う予定である。

 ニオブ(Nb)は、金属元素の一つで、鉄鋼添加剤として主に高張力鋼、ステンレス鋼などの高級鋼材に用いられており、中でも、自動車向け鋼材の軽量化、剛性化には不可欠とされている。CBMMは、ニオブ市場において世界1位の生産量と販売量を誇り、高い技術力と製品開発プログラムを有している。一方で、双日は、CBMMの株主の1社であり、また、CBMMの日本市場向けの総代理店として、安定的な原料供給体制の構築や用途開拓を進めてきた知見とノウハウを持つ。

 今後、東芝はCBMMと双日からのニオブ材料の安定的な供給体制の確保を進める。さらに、CBMMや双日の持つグローバルな顧客ネットワークも活用しながら、急速に拡大する二次電池市場でのシェア獲得を3社で目指すとしている。

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