EVの無線給電に再び注目集まる、ステランティスが走行中に充電できるテストコース電気自動車

ステランティスは2021年12月2日、走行中のEV(電気自動車)への無線給電が可能なテストコース「Arena del Futuro(Arena of the Future)」が完成したと発表した。

» 2021年12月07日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ステランティスは2021年12月2日、走行中のEV(電気自動車)への無線給電が可能なテストコース「Arena del Futuro(Arena of the Future)」が完成したと発表した。

 ステランティスの他、走行中の無線給電技術を手掛けるElectReonなどのパートナーが参加してクローズドなテストコースを建設した。テストコースの全長は1050mで、1MWの電力がテストコースに供給されている。

 テストコースでは、路面の舗装の下に給電システムが埋め込まれており、「レシーバー」を搭載した全ての車両が充電することができる。道路インフラと無線給電に対応した車両は通信で連携し交通安全も実現するという。さらに、充電効率と耐久性を両立した舗装を採用している。フィアットのEV「New 500」や、イヴェコ(Iveco)のEVバス「E-Way」などを走らせ、無線給電の効果を確かめた。

 ステランティスは2030年までに新車販売に占める低公害車(LEV)の比率は欧州で70%以上、米国で40%以上に引き上げることを目指している。その中で無線給電技術の実証に取り組むのは、1回の充電で走行できる距離が長いEVや、超高速給電に対応する以外のアプローチによってユーザーのニーズを満たすためだ。走行中に充電できれば、充電時間の長さや車両に搭載するバッテリーのサイズの面でメリットがあると見込む。また、カーボンニュートラルと同時にクラス最高の顧客満足も実現することを目標としている。

 このテストコースの設置には、A35 Brebemi-AleaticaとStellantis、ABB、ElectReon、FIAMM Energy Technology、IVECO、IVECOバス、Mapei、Pizzarotti、ミラノ工科大学、プリズミアン、TIM、ローマトレ大学、パルマ大学、消防団、交通警察が参加している。

 ElectReonはドイツ、イタリア、スウェーデン、イスラエルでEVへの無線給電のテストを行っている。2021年10月には、イスラエル・テルアビブでバス事業者と協力してEVバスの無線給電インフラを構築するプロジェクトがスタート。940万ドル(1億6400万円)が投資される。

→その他の「電動化」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.