より高い安全性を求めて、微弱な皮膚刺激を検出する試験法を考案医療機器ニュース

第一三共ヘルスケアは、これまでの動物実験代替法では難しかった、微弱な皮膚刺激を検出できる試験法を考案した。より高い安全性が求められる低刺激性スキンケア製剤の安全性評価に利用できる。

» 2021年12月08日 15時00分 公開
[MONOist]

 第一三共ヘルスケアは2021年11月15日、これまでの動物実験代替法では難しかった、微弱な皮膚刺激を検出できる試験法を考案したと発表した。低刺激性スキンケア製剤の安全性評価に利用できる。

 今回考案した試験法は、眼に対する既存の動物実験代替法を改変したものだ。培養細胞に接触させる製剤の濃度や時間などの試験条件を検討することで、微弱な皮膚刺激も検出できるようになった。

 試験条件の妥当性を、文献などの皮膚刺激指数と同社試験法における刺激性指標値の結果の相関性から確認した上で、敏感肌向けや乳幼児向けなど低刺激性をうたうスキンケア製品とそれ以外の製品について試験を実施した。

 その結果、国際的に合意された既存の動物実験代替法であるOECD TG439では、全て「刺激性なし」と評価される製剤についても、今回考案した指標を用いると、製品ごとの微弱な刺激性の差を検出できた。

キャプション OECD TG439で評価した際の細胞生存率(50%以上で「刺激性なし」と評価)と、考案した試験法で評価、算出した刺激性指標値(IC50)との比較 出所:第一三共ヘルスケア

 高い安全性が求められる低刺激性スキンケア製剤の開発においては、微弱な刺激性を確認する必要がある。既存の試験方法では、比較的強い刺激物質は検出できても微弱な刺激性は検出できず、低刺激性スキンケア製剤に対するガイドラインもなかった。第一三共ヘルスケアは、今回考案した試験法をより高い安全性が求められる敏感肌向け、乳幼児向けスキンケア製品の開発に活用していく。

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