立ち上がる風力発電

日本風力発電協会が公開した資料によれば、国内の風力発電事業が失速している。同協会によれば、固定価格買い取り制度（FIT）の開始を見込んだ助成制度廃止が原因だ。FITの買い取り価格いかんでは、風力発電の回復が難しい。

風力発電を大量導入するには、出力変動を吸収する仕組みが必要だ。個別の電力会社がそれぞれ対応するよりも共同で取り組んだ方が、より導入量を増やせる。北海道電力と東北電力は、東京電力が持つ火力発電能力を使って風力発電の大量導入に取り組む。新規導入量は60万kW（600MW）だ。

「垂直軸（縦軸）型」という種類の発電用風車がある。その中でも注目されるのが「直線翼縦軸風車」だ。10余年にわたり同風車の研究を行う工学院大学の取り組みを通し、その可能性を探る。

再生可能エネルギーの主力として注目される風力発電。その可能性をシリーズで探っていく。第1回は、風力発電の導入ポテンシャルについて解説する。