CLPA 20th AnniversaryCLPA 20th Anniversary

ご挨拶

一般社団法人CC-Link協会(CLPA)は、おかげさまでこの度設立20周年を迎えました。

「日本発&初のフィールドネットワーク『CC-Link』を世界のオープンネットワークへ」を合言葉に、2000年11月にCLPAは発足しました。設立当初134社だった会員数は現在3800社を超え、世界有数の産業オープンネットワーク団体に成長しました。また、CC-Linkファミリーは、「性能面」に加え「信頼性」や「相互運用性」への評価から様々な業界のお客様に採用いただき、製造業の基幹を支える産業用ネットワークとしての地位を確立することができました。これもひとえにお客様およびパートナーの皆様のご支援、ご愛顧の賜物であり、心より感謝申し上げます。

この20年間で製造業の世界は「グローバル化」が進み、それに伴い「オープン化」や「標準化」に対する要求が大きく高まりました。また、経済産業省が2017年に打ち出した「Connected Industries」のコンセプトに見られるように、人・モノ・技術・組織などあらゆるものが繋がることによる新たな価値創出、スマート工場化の動きが加速する中で、産業用ネットワークは無くてはならない存在となりました。

これからもCLPAは、ネットワーク技術を牽引するパイオニア、またチャレンジャーとして、パートナーの皆様と共に、お客様の「スマート工場」の構築を加速させる真にオープンな産業用ネットワークを、ますますグローバルに展開していきます。今後とも一層のご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます

2020年12月
一般社団法人CC-Link協会

事務局長 川副 真生

CLPA20周年 特集記事

CLPAが目指す世界

CC-Link IE TSNで実現するConnected Industriesの世界CC-Link IE TSNで実現するConnected Industriesの世界

時代が求める「スマート工場」の姿とは

顧客ニーズの多様化や高度化に伴い、製造業では自動化、TCO(Total Cost of Ownership)削減や品質向上とともに、変種変量生産など新たなものづくりを志向する動きが加速しています。また、センシング技術の発展、ネットワークの高速化、クラウド・エッジコンピューティングの普及、及びAI(人工知能)の進化など、ITによってデータを活用するデータ駆動型社会が進展しています。そのような流れの中で、あらゆるものをつないでデータを最大限に活用し、自律的で最適なものづくりを目指す「スマート工場」の実現が強く求められています。世界でも、欧州のIndustry 4.0や米国のIIC(Industrial Internet Consortium)、中国の 智能製造、日本のConnected Industriesなど、製造業でのIoT活用に向けさまざまなメガトレンドが立ち上がっています。

スマート工場を実現するためには、生産現場のデータをリアルタイムに収集し、そのデータをエッジコンピュー ティングで一次処理した上でITシステムへシームレスに送ることが重要です。生産現場のデータを活用するには、高速・安定した制御通信やITシステムへの大容量の情報伝送が可能なネットワークが求められます。すなわち、生産現場における産業用ネットワークとITシステムにおけるネットワークの融合が必要不可欠です。また、生産効率の向上に向けた高速・高性能な制御の実現も急務となります。

CLPAが果たすべき役割

そこでCLPAは、これらの要求に応えるため「CC-Link IE TSN」を世に送り出しました。従来のCC-Link IEの特長を継承しつつ、時分割でリアルタイム性を実現するTSN技術を採用することにより、同一幹線上で複数の異なるネットワークの混在が可能となります。さらに、効率的なプロトコルにより、高速・高精度なモーション制御を実現することができます。これによりCC-Link IE TSN は、上位のITシステムから生産現場のFAシステムの階層を意識することなく、シームレスに連携し、製造業におけるさまざまなアプリケーションへの活用拡大が可能となりました。

CLPAは、CC-Link IE TSNを普及することで、以下のようなConnected Industriesの世界を実現します。

正確なタイムスタンプ情報と高度な分析
  • ■ 正確なタイムスタンプ情報が付加された現場データの収集
  • ■ AIを活用したアプリケーションによる分析精度の向上
ネットワークの統合
  • ■ 同一幹線上で複数プロトコルの混在
  • ■ FA層のリアルタイム制御とIT層のシームレスな通信を同時に実現
  • ■ 1ネットワークで一般通信、モーション通信、安全通信を構築
高度なモーション制御の実現
  • ■ 高速・高精度な同期制御
  • ■ 異なる通信周期の組み合わせで装置の性能を最適化
無線・5Gの活用将来構想
  • ■ レイアウトフリーな生産ライン構築
  • ■ 配線レスなシステムを構築
FA(OT)とITの融合と
セキュリティの両立
将来構想
  • ■ 安心してご使用頂けるセキュリティ環境の構築
  • ■ セキュリティを考慮した機器・サービスの拡充

今後は、ローカル5Gの活用で生産システムの構築がよりシンプルかつ柔軟になります。CC-Link IE TSNによるネットワーク一本化とローカル5G技術を組み合わせて、新しい工場のありかたを提案していきます。さらに、FA (生産現場) とITの融合によるサイバー攻撃等のリスクに対応するためセキュリティ対策も同時に進め、安心してご使用頂けるセキュリティシステムの構築を目指します。

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CLPAの歴史CLPA 発足の背景と成長の軌跡

CLPAは、日本・アジア発&初の世界標準オープンフィールドネットワーク「CC-Link」の普及を目指し2000年11月に発足しました。2001年には6つの国と地域に海外拠点を設立し、グローバル規模での普及活動を開始。それから20年、世界11拠点とパートナー会員数3,800超を誇る世界有数の産業オープンネットワーク団体に成長しました。

CC-Linkファミリーロードマップ

CC-Linkファミリーロードマップ

1990年代に入り、工場の自動化への要求の高まりと、生産ラインの複雑化に伴い、様々な機器をつなぐための産業用ネットワークに対する需要が生まれました。そこで誕生したのが「CC-Link」であり、以後CC-Linkファミリーは3段階の進化を遂げてきました。2000年に「第1世代」としてシリアル通信ベースの「CC-Link」、また2008年には「第2世代」として業界初1GbpsEthernetベースの「CC-Link IE」を仕様公開し、データ量の飛躍的な向上とフィールドレベルからコントローラレベルまでの適用領域拡大を実現しました。さらに市場からのスマート工場への要求の高まりに伴い、2018年には「第3世代」として、世界に先駆けてTSN(Time-Sensitive Networking)を採用した「CC-Link IE TSN」を仕様公開しました。

CLPAは今後も、幹事会社を含むパートナーの皆様と共にCC-Link IE TSNの技術革新を推し進め、「Connected Industries」の実現を加速していきます。

年表

年表年表
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提供:一般社団法人CC-Link協会
(https://www.cc-link.org/ja/index.html)
アイティメディア営業企画/制作:MONOist編集部
掲載内容有効期限:2021年3月31日

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