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ポメラのメカ設計〜日中をつなぐ3次元モデル隣のメカ設計事情レポート(3)(2/4 ページ)

デジタルメモツールの「ポメラ」を設計したのは、文房具メーカーのキングジム。機械設計者がいない同社の開発チームの力になったのは、中国・香港のメーカーだった!

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設計課題2:指掛けの形状


意訳「正面から見たときですが、この部分のエッジがシャープかつ弱いと思いました。フロントに指掛けを作るのは厳しいのでは」

「現状の製品のスライドアームは、エラストマとプラスチック板で構成しています。設計時は一体の部品にする予定でしたが、引き出したときのたわみが大きく、(上から押した際の)強度を確保できなかったため、現状の形状に変更しました」(立石氏)

設計課題3:筺体のすき間


意訳「この0.8mmのすき間は、大きすぎるように感じます。もう少し狭くするべきでは」

「製品ではこのすき間は詰められています。金型の調整とステンレスパーツの寸法精度の追い込みですき間を少なくしました。現在は0.3mmです」(立石氏)

設計課題4:このキーボードの形状はヤメテ!?


意訳「キートップの4隅の修正は不可ですかね? 4角の穴が小さくなるようにしたほうが、製品の精度もよくなります。くれぐれも内部の設計を変えてほしいわけではなく、この4コーナーのフランジを角まで延長してさえしていただければいいのです」 *フランジ幅が狭いという指摘

「現状の製品ではこの指摘に対応しています。ただし、スペースキーのヒンジ部の切り欠きだけは対応不可でした」(立石氏)

設計課題4:スライドアームがスカスカ


意訳「(画像中央下、赤丸内)ガイドレール穴で隠れる部分に関して:この凸の開いている部分を埋められますか。またはガイドレールをここまで(矢印部)つなげられますか。ここが弱いと思われます」
「(画像右下、水色の部品)小さな突起を追加できませんか。押しやすくするためもの。この絵のように」

「上記の丸囲い部の凸は、現状の製品だと強度をUPするために肉盛をしてちょうど三角形のような形になっています。根元部分からほぼ垂直に立ち上げています。またロック解除のボタン(水色の部品)は、当初はツライチ(面を合わせる)でしたが、上記のようなA社の提案によって少し出しました。上に書いてあるように、押しやすくする狙いですね」(立石氏)

 上記のようなメールでのやり取りで、もはやまどろっこしくなれば……キングジムの開発チームが直接香港へ飛んでいった。意匠を担当したプロダクトデザイン事務所のジオデザインの担当者もキングジムのメンバーとともに中国に渡り、3次元CADの画面の前で「あーでもない」「こーでもない」とA社の設計者とかんかんがくがくと意見を戦わせた。設計承認も、その場で行ってしまうこともあった。

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