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Cortex-A9コア搭載「GR-PEACH」ファーストインプレッションCortex-A9(1/3 ページ)

ルネサスが投入するハイエンドマイコン「RZ/A1グループ」を搭載した「GR-PEACH」は、Cortex-A9コアで世界初のmbedボードです。販売開始(2015年早春を予定)前にβ版を入手できたのでその一端をご紹介します。

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 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が2014年8月に発表した、mbedプラットフォームのRZ/A1グループ搭載ボードが「GR-PEACH」(関連記事:ルネサス、Cortex-A9採用ボードでmbedプロジェクトに参加)です。販売開始は当初の発表より若干遅れて2015年早春が予定されていますが、発表後にβ版ボードを使ってのアイデア創出や細部検証・改善点の洗い出しに協力するメンバーを募集しており、その説明会が「GR-PEACHプロデュサーミーティング」として開催されました。

 筆者もそれに参加してβ版を入手しました。そこでGR-PEACHの概略や印象などについて、読者の皆さんと共有してみたいと思います。本稿ではGR-PEACHに焦点をあてるためmbedの使い方そのものについては必要最低限にとどめています。その都度、参考になるURLを示しますので、そちらもあわせてご覧頂ければと思います。

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図1 RZ/A1グループを搭載したmbedボード「GR-PEACH」(出典:若松通商)

 また、β版ボード配布後には何度かファームウェアの更新が行われているようですが、今回の記事は当日配布時の基板のファームウェアを用いての紹介とさせて頂きます。

基本スペックと特徴

 まずハード的な特徴としては、なんといってもルネサスの最上位にあたる「RZ/A1H」という強力なプロセッサを搭載していることでしょう。RZ/A1HはARMアーキテクチャのCortex-A9コアを採用しており、信号処理などの数値演算に特化したNEON命令セットやFPUを内蔵します。動作クロックは最高400MHz、オンチップで10MBのRAMを有し、キャッシュに関しては32KBの命令キャッシュとデータキャッシュを備え、レベル2キャッシュは128KBです。

 通信や外部周辺機器との接続のために用意されたインタフェースの充実も目を引きます。ホストとデバイスになりうる2基のUSBポートと1基のイーサネット、5本のSPI、4本のI2C、8本のUART、8本の12ビット精度のADC、2本のLCDインタフェース、2本のカメラ入力、2本のSDインタフェースと2本のMMCインタフェースを備えます。また、それらのピンの多くはGPIOとしても共用可能です。

 ボードにはこれら機能の多くをユーザーに開放するため、内側のピンヘッダにこれらの信号線がアサインされています。また、ボードにはプログラムを格納する8MBのフラッシュメモリも搭載されています。

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図2 豊富なインタフェース(β版ボードのため製品版では変更になる可能性があります)

 一方、外側のコネクタはArduino用シールドとの互換性を意識したピン配列にもなっています。また開発環境はmbedの開発者用Webサイト「mbed.org」が利用できます。

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図3 Arduino用シールドとの互換性を意識したピン配列がなされている
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