GPSなしで市内の全小中学生1万1000人を見守り、箕面市が実証実験
大阪府箕面市が、市内の全小中学生(約1万1000人)を対象にした見守りサービスの実証実験を開始する。GPSではなくBluetooth発信器を配布し、受信をスマートフォンで行うことで導入コストを大幅に引き下げた。
大阪府箕面市が市内の全小中学生(約1万1000人)を対象に、Bluetoothを利用した見守りサービスの実証実験を開始する。見守りサービスとして一般的なGPSではなく、Bluetoothを利用することで端末コストを下げ、導入を容易にする。
この見守りサービスはottaの開発したシステムを利用するもので、小中学生に防犯ブザー付きのBluetooth発信端末を配布し、学校や公民館、コミュニティーバスなど公共施設・交通機関に設置されたGPS搭載の「検知ポイント」でBluetoothの信号を受信し、位置を確認する。
Bluetoothのさほど長くない有効伝達距離をカバーし、検出精度と対象範囲を広げるため、スマートフォン用の検知アプリも配布する。アプリをインストールしたスマートフォンの近くに発信端末を持った小中学生がいると、その検知した情報はサーバに送信され、「スマートフォンにアプリを入れるだけで、地域の子ども見守り活動に参加できる」という仕組みを構築することで、より多くの参加者を募る。
2016年3月に箕面市内の全市立小中学校や公共施設、コミュニティーバスなど500カ所に検知ポイントを設け(ないしアプリをインストールしたスマートフォンの配布)、同年夏までに市内公立小中学校に通学する約1万1000人に見守り用のBluetooth端末を配布する。同時に市内住人に対して、「見守りアプリ」のインストールによる見守り活動へ参加を呼びかける。
今後は実証実験の結果を検証しながら、認知症などで見守りが必要な市民にもBluetooth端末を配布し、高齢者向け見守り支援サービスについても実験対象を拡大していくとしている。
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