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視細胞を制御するソフトウェアを視覚再生医療に提供医療機器ニュース

JIG-SAWとモビコムは、ソフトウェアで視細胞を制御する「視覚再生医療」に着手した。視覚再生用のプリズムグラスと視細胞制御ソフトウェアを提供する。

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 JIG-SAWとモビコムは2016年12月26日、ソフトウェアによって「生物・細胞」を制御するプロジェクトを開始したと発表した。岩手大学理工学部の冨田浩史教授ら(冨田研究室)が取り組む視覚再生医療に協同して、「視覚再生用プリズムグラス」とその制御ソフトウェアを開発し、データ通信による視細胞制御機能を提供する。

 冨田研究室が視覚再生研究において創出した遺伝子は、可視光全域に感受性を持ち、失明したラットの視覚を回復させることに成功している。同遺伝子による治療は、失明者の視覚を回復できる治療法の1つとして、世界的にも注目を集めている。

 各種遺伝子治療薬と合わせて提供される両社の「視覚再生用プリズムグラス」は、ソフトウェアによる視細胞制御機能を搭載し、装着した患者の網膜に映像を投影するものだ。両社が持つ信号制御技術のうちの「色信号制御技術」を適用し、細胞そのものへ直接信号を送り、視細胞をコントロールする。これにより、装着者が生来の感覚と同等の視覚を再生する可能性が高まるという。

 今回のプロジェクトを通じて、網膜の疾患で失明した人が、屋内や暗所でもヒトの表情や文字が識別できるレベルの視覚を再生できるよう実証していく。

 また、JIG-SAWの視細胞制御技術は、映像を特定の色信号に変換して光量の調節も可能で、網膜感度が低下した他の疾患やiPS細胞を用いた視覚再生研究へも広く応用できる可能性がある。

 今回の取り組みは、ソフトウェア技術がモノ(無機物)同士だけでなく、生物や細胞などの有機物をつないで課題を解決することを意味する。両社は今後、この有機物制御技術を他の取り組みにも展開していくとしている。

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