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第4次産業革命で変わる検査と品質向上の取り組みいまさら聞けない第4次産業革命(21)(2/3 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第21回となる今回は、IoTやAIを活用することで品質向上への取り組みがどのように変化するのかという点を紹介します。

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第4次産業革命と品質向上の関係性

 さて、今日も矢面さんは印出さんに相談しに来たようですよ。

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印出さん、こんにちは。この前はありがとうございました。ようやくIoTビジネス推進室も活動の方向性を見つけることができて、活動が前に進みました。


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まあ、すごいじゃない。大きな一歩ね。


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まだ、明確なモノが作れているわけではないんですが、とにかく部品メーカーとしてデータを組み合わせた価値をどう作って、提供するかということで、今いろいろな部門と協力して話を進めることができています。


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本当によかったわね。こうした新しい動きにはいつも「既に遅れている論」が付きまとうけど、まだまだ先行するチャンスはあると思うわ。ぜひ、やり遂げて形にしてね。


 さて、矢面さんは今回はこの新たなIoTビジネス推進室長としての役割ではなく、もともとの生産技術部長としての役割で相談があるようですよ。

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ところで印出さん、毎度毎度ですが、相談があるんです。ここ最近の品質問題のニュースでうちの社長が「IoTを使って何か対策とかできないのか」と言い始めてまして……。


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うーん。ざっくりね。どこの何の品質をどうするとかによって、IoT的な技術を使うのか、他の手段がよいのかは変わってくるわね。


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そうなんですよ。最近の品質問題は改ざんとかコンプライアンスやガバナンスの問題も多いので、そもそも品質問題とは違うような気がしていて……。とはいえ「印出さんに聞いてこい」というので、こうしてご相談にお伺いしたんです。


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そうね。まあ、具体的な話は持ち帰って決めてもらうとして、大枠の方向性としては「活用できる」というのが回答になるかしらね。ポイントは繰り返しになるけど「データ」よ。


「自動化」で工夫を引き出す

 第4次産業革命は「データ」を軸とした産業構造の変革であるというのは、この連載でも繰り返していることですが、品質問題への対策や品質向上への取り組みについても、こうしたデータをどう活用するのかがポイントになります。

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第4次産業革命のポイントは、IoTなどの技術でデータを取得して活用するハードルが大きく下がったということがカギだと説明してきたけれど、品質問題などにもこの「データ活用の範囲や頻度を広げる」ということが基本的な考え方じゃないかしら。


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なるほど。今まで取れていなかった品質情報や検査情報を取ったり、分析に活用したりするということですか。


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まさにその通りよ。従来は人手で行うのが負担になっていたことを自動化できるのがメリットなので、まずはこうした「新しい技術で自動化できるところ」を探すのが早道じゃないかしら。


 「QC活動」などでも見られる通り、品質向上への取り組みは、一部門の一過性の取り組みでは解決できるものではありません。継続的な取り組みでボトルネックを順番につぶすことでやっと少しずつ高めていけるものです。こうした基本的な品質に関する取り組みや工夫は全ての前提となるものです。ただ、こうした品質向上への取り組みにおいて、工夫を引き出す材料となる「データ」や「知見」は誰もが必要だと考えるものだと思います。

 IoTやAI関連技術の進化によって、従来とれなかったデータを簡単に自動で取得できるようになり、さらに得た膨大な情報を分析し知見を見つけるという作業も大幅に簡単になってきました。こうした新しい技術を活用することで、従来品質向上などの取り組みで「気付かなかった領域」や「やりたいけれど諦めていた領域」を品質向上活動の対象範囲に含むことができるようになります。まずは、こうした領域を探し「IoTなどを活用して自動化できないか」と考えるのが、現状に一番近いアプローチとなるのではないでしょうか。

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