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産業用IoTの壁を安く、早く、簡単に飛び越えろ、横河電機発ベンチャー誕生の意義CEATEC 2018

産業用IoTスタートアップのアムニモは「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉県・幕張メッセ)に出展。独自開発した産業用IoT(IIoT)アーキテクチャの価値を訴求した。

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 産業用IoTスタートアップのアムニモは「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉県・幕張メッセ)に出展。独自開発した産業用IoT(IIoT)アーキテクチャの価値を訴求した。

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CEATEC JAPAN 2018に出展したアムニモブース(クリックで拡大)

産業用IoTの余計な負担を肩代わり

 アムニモは、横河電機の100%子会社で2018年5月に誕生したばかりのスタートアップ企業である。横河電機がマイクロソフトなどと協力して開発した産業用IoT(IIoT)アーキテクチャを活用し、新しい価値を持つサービス提供を目指している。

 用意している産業用IoTのサービスの1つが「amnimo sense」である。これは、センサーからデータ取得、運用までの必要な機能を全て内包するアムニモの基本サービスとするものである。センサー接続のための複雑なプログラミングや回線契約、クラウド設定などの作業は全て不要で、セキュリティや運用状態はアムニモが24時間365日監視する。産業用IoTで新たなサービスを開始したい企業が、IoTに伴う負担を気にすることなく独自のサービス開発に専念できるようにしたものだ。

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「amnimo sense」を構成する独自開発のセンサーデバイス(左)とゲートウェイ(右)。LPWAに対応している(クリックで拡大)

 合わせて、基本サービスの「amnimo sense」で得た人やモノの定量情報を活用し、ワークフロー実行エンジンを使って業務フローなどの効率化などにも活用できる。

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「amnimo sense」で得た情報を「amnimo flow」

 アムニモのサービスの特徴はとにかく簡単に使えるという点で、プラグインプレイですぐにデータ取得と見える化が可能。独自開発したエッジポイントデバイスはLPWA(低消費電力広域)ネットワークの1つであるLoRAWANに対応しており、低消費電力、長寿命でデータを取得し続けることが可能だ※)

※)関連記事:いまさら聞けないLoRaWAN入門

 アムニモの代表取締役社長である谷口功一氏は「産業用IoTで何かを行うには、セキュリティやアクセスコントロール、管理や監視など、実際にサービス構築を行う前に前提としてやらなければならない作業が数多く存在し、それに膨大な時間が必要になる。横河電機でも非常に多くの苦労をした。ただ製造業など多くの事業者にとってこれらは本業とは関係なく、本来やりたいことではない。そこを肩代わりし、より早く、より簡単に、産業用IoTで目指す価値提供に集中できるように支援する。見える化をサービス化するMeasurement as a Serviceを提案したい」とアムニモの役割について語る。

 2019年1月から国内で試験サービスを開始し、2019年3月からはアジア地域でも試験サービスを開始する計画。2020年1月の本格サービスを予定しているが、価格も抑える方針で「30測定点のパックとなるが1測定点当たり月額1000円としたい」(谷口氏)としている。

ポンプ監視など用途開発も推進

 既にパートナーとの協業による用途開発によるソリューションの種類の拡張などにも取り組んでいる。ポンプメーカーのイワキとの協業では、ポンプの異常動作を監視するソリューションを開発し「pump guard」としてサービス化する。また、工場内の少量多品種の生産ラインにおいて混在する製品の生産状況を可視化する「process tracker」なども用意している。さらにhuntechとの協業として、鳥獣捕獲用のわなの状況を遠隔監視する「スマートトラップ」なども開発中だという。

photophoto イワキとの協業で開発した「pump guard」のイメージ(左)。赤丸部分がゲートウェイで各種ポンプのセンシングデータはコントローラー経由で取得している。(右)はスマートトラップのイメージ。わなと一緒に赤丸部分のようにエッジポイントデバイスを内蔵した箱を設置し遠隔監視を行う(クリックで拡大)

 谷口氏は「とにかく多くの企業が簡単に産業用IoTでのサービス構築に挑戦できる環境を作りたい。2020年から本格サービスを開始する予定だが、5年後には200万測定点での利用を実現できるようにしたい」と抱負を述べていた。

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