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持続可能な産業グレードのOSS基盤を実現する「CIP」とは何かいまさら聞けないCIP入門(前編)(1/3 ページ)

CIP(Civil Infrastructure Platform)は、Linux FoundationのOSSプロジェクトであり、その目的の1つは産業グレード機器に対して長期的なサポートを達成することです。「いまさら聞けないCIP入門」の前編では、CIPがどのような背景で発足したのか、現在どのような活動を行っているかについて説明します。

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⇒連載「いまさら聞けないCIP入門」バックナンバー

Linuxの広がりと組み込み領域での活用

 Linuxは1991年の登場以来、世界中の開発者がコミュニティーを通して協力し合あうことで進化を続けており、最も成功したオープンソースプロジェクトの一つです。その活用はスーパーコンピュータ、メインフレーム、サーバから、携帯端末や組み込み機器まで、さまざまなスケールで幅広く広がっています。

図1
図1 Linux適用の広がり(クリックで拡大) 出典:Open Source Summit Europe 2018でのJim Zemlin氏基調講演資料から抜粋

 組み込み機器市場の場合、産業、医療、交通・運輸、通信、自動車、さらには電力、プラントなどの幅広い分野にわたり、社会インフラを支えるさまざまな産業機器や民生品で既にLinuxが適用されています。これらの組み込み製品やシステムは、その性質上、長いライフサイクルを期待されており、多くの場合10年以上の活用が求められます。

図2
図2 組み込み機器のライフサイクル(クリックで拡大)

IoT化する組み込み機器

 今日、IoT(モノのインターネット)という枠組みの中で、さまざまな組み込み機器がネットワーク接続されるようになり、利便性が格段にあがりました。しかし、同時に組み込み機器の脆弱性も多数報告されるようになっており、サイバーセキュリティのリスクも高まっています。

 このサイバーセキュリティリスクに対しては、各国政府、特に米国や日本では、IoTデバイスへのセキュリティ機能実装を法制化する流れにあります。このような機能には、ソフトウェアの更新機能などが含まれ、組み込みベンダーは、自社のビジネスの継続性のためにこれらの法律を順守していく必要があります。

 このように、組み込み機器は、もはや作れば終わりではなく、そのライフサイクルにわたったメンテナンスが必要となっています。そして、組み込み機器に広く用いられているLinuxに対しても長期的なサポートも求められているのです。

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