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VWはグローバルの全工場とロボットをネットワーク化、「OPC UA」で2022年から工場ニュース

Volkswagen(VW)は2019年8月23日、生産のデジタル化を進める一環で、2022年までに一部の工場で「OPC UA」を導入すると発表した。VWのヴォルフスブルク工場だけで5000台以上のロボットと数千台のシステムが使用されており、VWグループではグローバルで122カ所の工場がある。これら全てのシステムでデジタル化とネットワーク化を推進する。

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OPC UAベースで動くロボット(クリックして拡大) 出典:VW

 Volkswagen(VW)は2019年8月23日、生産のデジタル化を進める一環で、2022年までに一部の工場で「OPC UA」を導入すると発表した。VWのヴォルフスブルク工場だけで5000台以上のロボットと数千台のシステムが使用されており、VWグループではグローバルで122カ所の工場がある。これら全てのシステムでデジタル化とネットワーク化を推進する。

 VWはグループの各ブランドやサプライヤーの工場までグローバルサプライチェーンを統合したデジタルインフラを立ち上げる計画だ。「インダストリアルクラウド」をAmazon Web Service(AWS)と構築し、1500社3万カ所の工場のネットワークを統合する方針を既に示している。OPC UAの導入もその一環となる。

 VWでOPC UAの導入を担当するアカウント&デマンドマネジャーのMichael Schweiger氏は「さまざまなデータビルディングブロックや通信プロトコルが異なるテクノロジーの混乱の中にある。これは生産における大きな課題で、単純化したい」とコメントしている。

 OPC UAは、産業用アプリケーションの相互運用を実現するオープンなインタフェース仕様だ。Schweiger氏は「世界中で12の“機械の言語”が使われているが、工場のグローバルネットワーキングを容易にするものではない。OPC UAはエスペラント語のようなもので、これだけでいい。OPC UAがインダストリー4.0の最も重要な基本部品だ。従業員は12の異なる機械語を習得し、それら全てをアップデートし続ける必要はない」としている。

 VWグループではブランドの垣根を越えて、30人体制でOPC UAの導入に取り組んでいる。また、VWはOPC Foundationのメンバーでもある。


写真左からVWのMichael Schweiger氏とOPC FoundationのStefan Hoppe氏

 OPC FoundationのプレジデントであるStefan Hoppe氏は、製造業の課題について次のように語った。「あるマシンを量産ラインに持ってくると、別の企業のマシンとの統合作業が必要だ。インテグレーションには2、3日もしくは1週間かかり、5000〜1万ユーロの追加コストも発生する。そしてその上で、SAPやMicrosoftなどのクラウドシステムに接続できる。OPC UAであればこれを10分間で標準化でき、セキュリティも備えている」(Hoppe氏)。

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