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デジタルモールドで早期量産化、スワニーが着想から10日でフェイスシールドを製造3Dプリンタニュース

スワニーは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策支援の一環として、医療現場で不足するフェイスシールドの開発に着手し、着想から10日ほどで量産化を実現した。

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 スワニーは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策支援の一環として、医療現場で不足するフェイスシールドの開発に着手し、着想からわずか10日ほどで量産化を実現した。2020年4月20日から販売を開始すると同時に、本社拠点を置く長野県伊那市や長野県などに対して無償提供(各100セット)を行っている。

スワニーが開発したフェイスシールド
スワニーが開発したフェイスシールド ※出典:スワニー [クリックで拡大]

 独自設計のフェイスシールドは、消毒滅菌による再利用が可能なポリプロピレン製のフレーム部とバイザー部、ポリカーボネート(PC)製シートを用いたシールド部で構成され、フレーム部とバイザー部は分解可能。頭部に優しくフィットするデザインになっているという。

 フレーム部のヒンジは大きく広げることができるためヘルメットや帽子、防護服の上からでも装着できる。また、ゴーグルとの併用も可能である。シールド部は、強度があり透明度の高いPC製シートを用いており、使用後は触れる面積を最小限に抑えてバイザー部からワンタッチで取り外すことができる。また、歯科医が拡大鏡を用いて歯の治療を行う際など、フェイスシールドを逆さまにして首に装着することで、下からの飛沫に対しても効果を発揮する。

使用イメージ(1)使用イメージ(2) 使用イメージ ※出典:スワニー [クリックで拡大]

 同社は「フェイスシールドが不足している」という医療現場からの声を受け、2020年4月中旬から開発に着手。当初、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンタで20試作ほど造形し、実際に試作品を使用した医療関係者からの意見を反映しながら設計や材料の選定を進めてきた。

 その後、3Dプリンタ製の樹脂型を用いる同社の「デジタルモールド」技術を活用して、実際に量産用の金型を製造する前に、射出成形機による成形検証を実施することで、早期の量産化に結び付けることに成功した。現在、PCシートの抜き加工メーカーなどと協力し、量産体制を構築。生産能力は1日当たり1000セット以上だという。

デジタルモールド量産化 デジタルモールドを活用し、早期量産化を実現 ※出典:スワニー [クリックで拡大]

 一般販売については同社のECサイトで受付ており、フェイスシールド本体(フレーム部、バイザー部)とシールド用シート(2枚)がセットで1500円(税別)となる。同時に、交換用のシールド用シートも1枚160円(同)で販売する(※1)。なお、現在注文が殺到しており、「緊急性の高い医療従事者を優先して販売を行っている」(同社)とのことだ。

※1:固定バンドは付属していないため、輪ゴムやひもをフレーム部に取り付けて使用する必要がある。

スワニーが販売するフェイスシールドのセット内容
スワニーが販売するフェイスシールドのセット内容 ※出典:スワニー [クリックで拡大]

 同社は「必要なものがあれば作る」という考えの下、今回のフェイスシールドの他にも、COVID-19の対策支援に関連する製品として、耳の負担を軽減するマスクストラップなどの設計、製造も手掛けている。

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