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開き戸タイプの玄関ドアを自動ドアに、LIXILの新規事業部門が1年で開発イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

LIXILが日本国内の多くの住宅で用いられている開き戸タイプの玄関ドアを後付けで自動ドアに変えられる電動オープナーシステム「DOAC(ドアック)」を発表。システム単体の価格(税別)は20万8000円から。同年8月3日から先行受注を開始し、9月1日から全国で発売する。

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 LIXILは2020年7月7日、東京都内で会見を開き、日本国内の多くの住宅で用いられている開き戸(スイングドア)タイプの玄関ドアを後付けで自動ドアに変えられる電動オープナーシステム「DOAC(ドアック)」を発表した。システム単体の価格(税別)は20万8000円から。同年8月3日から先行受注を開始し、9月1日から全国で発売する。基本的には、LIXIL製品の施工店経由での販売を想定しており、DOACが適用可能かどうかの確認やコンセントの設置などを含めた施工の期間は半日程度、費用は1万5000〜2万円を見込む。

 DOACは、玄関ドアに触れることなく、鍵の施錠と解錠からドアの開閉までをリモコンで操作できる電動オープナーシステムである。システムの構成は、ドアを「開」と「閉」に対応した2つの操作ボタンを持つリモコン、リモコン操作に対応してドアの鍵の施錠と解錠を行うスマートロック、スマートロックの動作と連携して電動オープナーを制御するコントロールボックス、玄関ドアの開閉を担う電動オープナーから構成されている。

「DOAC」のデモンストレーションの様子
「DOAC」のデモンストレーションを行う開発担当者の今泉剛氏(クリックで拡大)
「DOAC」は車いすユーザーにとって大変な作業だった開き戸タイプの玄関ドアの開閉を容易に行える(クリックで再生)

 リモコンとスマートロック、スマートロックと電動オープナーの間の通信は315MHz帯の特定小電力無線通信を使用しており、2.4GHz帯を用いるBluetoothやWi-Fiなどと比べて干渉が少ないため安定した通信が可能だ。電源については、スマートロックは単三形電池4本を使用しており、1日当たり約10回の開閉であれば約1年利用できるという。鍵とは異なり一定の重量を持つドアの開閉を担う電動オープナーとコントロールボックスの電源は、ドアの横に設置した専用のコンセントから供給することになる。

「DOAC」を構成する部品
「DOAC」を構成する部品。一番上にあるのが電動オープナー。下は左から、コントロールボックス、スマートロック、リモコンの順で並んでいる(クリックで再生)
リモコン電動オープナーとコントロールボックススマートロック リモコンのボタンは「開」と「閉」の2つだけ(左)。スマートロックの電源は単三形電池4本を使用する(中央)。電動オープナーとコントロールボックスの電源はコンセントから供給する(右)(クリックで拡大)

 DOACの特徴は大まかに分けて3つある。1つ目は、日本国内にある約5000万戸の住宅のほとんどで使用されている開き戸タイプの玄関ドアについて、LIXIL製に限らず後付けで自動ドアにできることだ。また、ドアの開閉のみならず、鍵の施錠と解錠もリモコンのボタン操作だけで行える。

リモコンのボタン操作だけで、鍵の施錠と解錠からドアの開閉までを自動で行える
リモコンのボタン操作だけで、鍵の施錠と解錠からドアの開閉までを自動で行える(クリックで再生) 出典:LIXIL

 2つ目は、リモコンを使わずに手動でドアを開閉する際に電動オープナーがアシストする「オートアシスト機能」である。鍵を開錠してドアを少し(5度以上)開くと動作し、全開位置までドアを開いてくれる。全開後はタイマー機能により自動でドアが閉じる。

「DOAC」の「オートアシスト機能」
「DOAC」の「オートアシスト機能」(クリックで再生) 出典:LIXIL

 3つ目の特徴はフェイルセーフ設計だ。挟まれ検知機能により、異常な接触を感知したらすぐにドアの動作を停止する。リモコンを持っていない時や、スマートロックの電池切れ、停電などで電動オープナーに電源が供給されていない場合でも、物理鍵を使って手動で開閉できるようになっている。また、40万回に及ぶドアの開閉試験も行っており耐久性も確保している。

「DOAC」のフェイルセーフ設計
「DOAC」のフェイルセーフ設計(クリックで再生) 出典:LIXIL
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