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システム構築は「たった1時間で完了」、ifLinkのコミュニティーイベント開催製造業IoT

「誰もがカンタンにIoT(モノのインターネット)をつかえる世界」を掲げるifLinkオープンコミュニティが、2020年8月31日、コミュニティーの活動成果を示すイベント「ifLink Open Community Festival 2020 Summer」をオンラインで開催した。本稿では、同日に報道関係者向けに開催されたデモ展示内容をお伝えする。

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 「誰もがカンタンにIoT(モノのインターネット)をつかえる世界」を掲げるifLinkオープンコミュニティは2020年8月31日、コミュニティーの活動成果を示すイベント「ifLink Open Community Festival 2020 Summer」をオンラインで開催した。東芝デジタルソリューションズが開発したIoTプラットフォーム「ifLink(イフリンク)」を基盤に開発したサービスや製品を、コミュニティーに参加する企業が発表し合う場だ。当日は、東京都内で報道関係者向けのデモ展示も行われた。

ifLinkオープンコミュニティのイメージ画像[クリックして拡大]出典:ifLinkオープンコミュニティ
ifLinkオープンコミュニティのイメージ画像[クリックして拡大]出典:ifLinkオープンコミュニティ

多様なセンサーを連携可能

 ifLinkは専用のスマートフォンアプリなどを通じて、機器やセンサーモジュール同士を連携するIoTサービスが構築できるというプラットフォームだ。最大の特徴はIF-THEN型の設定を行うだけで、IoT連携を簡単に行えるようにした点である。例えば「ある部屋に入ったら」という「IF(条件)」に「部屋のライトが光る」といった「THEN(アクション)」を組み合わせることで、部屋への入室をセンサーが感知すると自動で照明がつくというシステムが構築可能だ。

 IFのセンサーモジュールとしては温度/湿度センサーやドア開閉センサー、人感センサー、重さセンサーなどが、THENのセンサーモジュールとしてはコミュニケーションロボットや電源タップ、赤外線リモコン、電子メールシステムなどが考えられるという。

ifLinkが対応するセンサーモジュールの種類一覧[クリックして拡大]出典:ifLinkオープンコミュニティ
ifLinkが対応するセンサーモジュールの種類一覧[クリックして拡大]出典:ifLinkオープンコミュニティ

プログラミング知識不要で誰にでも使いやすい

 デモ展示でifLinkを活用した展示品を発表した企業の1つがArmである。同社は振動発電ビーコンとパトライトの積層信号灯をifLinkで連携させて、特定のエリアにビーコンを身に着けた人が立ち入った場合に積層信号灯を点灯させるIoTシステムを実験的に開発した。また、このシステムと同社製品の「Pelion マネジメント管理サービス」をAPI(Application Programming Interface)連携させることで、複数のIoTサービスを一元的に管理できるようにした。

システム構築に用いた積層信号灯(左)と振動発電ビーコン(右)[クリックして拡大]

 仕組みとしてはPelion マネジメント管理サービスをifLink上で「Arm Pelion パトライトサービス」というマイクロサービスとして追加して、マイクロサービス側からIoT機器(ここではパトライトの積層信号灯)との接続を行うためのAPIを提供している。ifLink上でIF-THEN型のルールを指定しておき、IFとして設定した条件が満たされるとパトライトの積層信号灯にTHENで指定した制御指示がAPIを介して飛ぶという流れだ。Pelion マネジメント管理サービスを使うことで、積層信号灯だけでなく案内板などとも連携切り替えが容易で、工場などでの動線管理にも使える。

 iflinkを実際に使い、展示品の開発を行ったArm IoTサービスグループ スタッフ フィールド アプリケーション エンジニアの高橋竜氏は「ifLinkの操作感はシンプルだ。このおかげで、展示品の開発はたった1、2時間程度で終えることができた。当社のPelion マネジメント管理サービスはWebアプリなどでよく見られるAPIによるIoT機器の連携方式を採用している。このためWebアプリ開発者であればPelion マネジメント管理サービスを活用したIoTサービスを構築することは可能である。とはいえ、世間全体で見ればそうしたスキルを持つ人材は多くない。一方で、ifLinkのシンプルな『IF-THEN』型のルール方式は、プログラミングの知識やスキルを前提とせず、その意味で誰にでも使いやすいプラットフォームだと評価できる」と語った。

ソフトウェアとハードウェアをつなげる点も強み

 展示会場にはパトライトの積層信号灯を用いた展示品がもう1つあった。スマートフォンアプリ開発などを手掛けるCOSMOWAYが開発した、顔認識用のAI(人工知能)を搭載したスマートフォンのサーモカメラと積層信号灯をifLinkで連携させた発熱者検知アプリ「ThermoDetector」だ。AIで人間の額部分を正確に検出して、その領域の平均温度が一定以上だと検知すると積層信号灯が点灯する仕組みにしている。AIは同社が独自に開発したものを使用した。

 COSMOWAY 取締役兼COO(最高執行責任者)の藏重龍樹氏はifLinkによる開発を振り返って「ifLinkのIF-THENの仕組みに従って開発すれば、当社のようにアプリケーション開発を主軸とする企業でも、積層信号灯のようなハードウェアを組み込んだIoTシステムを非常に簡単に構築できると実感できた。Webサービスなどソフトウェア同士を連携させる『IFTTT(イフト)』と異なり、ifLinkはソフトウェアとハードウェアもつなげられる。パトライトの積層信号灯はifLinkに最初から対応済みな上、スマートフォンもifLinkに登録しさえすれば簡単にIoT連携できた」と語った。

スマートフォンのサーモカメラで体温を検知する[クリックして拡大]
スマートフォンのサーモカメラで体温を検知する[クリックして拡大]
一定以上の温度を検出すると積層信号灯が点灯する[クリックして拡大]
一定以上の温度を検出すると積層信号灯が点灯する[クリックして拡大]

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