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ソフトウェア技術者のためのバグ百科事典(16)青海青梅問題もビックリ、勘違いが原因のバグ山浦恒央の“くみこみ”な話(137)(1/3 ページ)

ソフトウェア技術者に向けて、バグに関する基礎知識をまとめていく新シリーズ「バグ百科事典」。第16回は、誰もが経験する「勘違い」に起因するバグを取り上げます。たかが勘違いといっても大事件につながる可能性もあるので要注意!

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1.はじめに

 バグ百科事典では、筆者が興味を持ったバグを解説し、読者の皆さまに「バグの早期発見」と「バグの未然防止」に役立てていただくものです。

 バグ百科事典も第17回目となり、少しずつバグに対する勘が身についてきたと思います。今回は、誰もが経験する「勘違い」に起因するバグを取り上げます。

⇒連載「山浦恒央の“くみこみ”な話」バックナンバー

2.日常生活における勘違い

 誰でも、ものごとを間違って思い込む、「勘違い」を経験するでしょう。例えば、「13時開催の会議を14時と勘違いしてしまった」などさまざまです。大半の勘違いは、影響は微々たるもので問題はありませんが、たまに関係者に多大な迷惑を掛ける場合があります。

 人間は1つのことを思い込むと、勘違いします。勘違いで厄介なのは、自分が間違っているとなかなか気付かないことです。

2.1 青海と青梅の勘違い

青海駅
※写真はイメージです

 少し前、有名アイドルグループのメンバーが、青海(あおみ)駅と青梅(おうめ)駅を間違えたことが話題となりました。青海は、東京都江東区にある新交通ゆりかもめ線の駅で、大きなライブ会場や大型商業施設、大手自動車メーカーのショールームがあり、フジテレビの本社もアクセス圏内です。一方、青梅は、東京駅からJR中央線、JR青梅線に乗り継いで1時間以上かかる田園地帯にあります。青梅と青海は、直線距離で40kmも離れており、ライブ会場がある青海に行くつもりが、青梅と間違える人が後を絶ちません。ライブに出演するアーティストも、何人も間違えています。

 「よく行き先を見直す」「Googleマップで駅周辺を見る」「路線図を見る」のような事実確認を怠ったことが原因でしょうが、本人は、ライブ会場が「青梅」と思い込んだ瞬間から、目的地は青梅なのです。現地に着くまで、間違いに気が付きません。

2.2 成田空港と羽田空港を間違える

 昔、筆者がやってしまった勘違いです。海外出張で羽田空港に向かいました。電車に乗っている最中、ふとEチケットを再確認したところ、実は、目的地は成田空港だと気付きました。成田空港は千葉県、羽田空港は東京都で、電車で1時間半以上の距離があります。慌てて、逆方向の電車に乗り換え、何とか間に合いました。

 筆者は、「今回は羽田から向かう」となぜか思い込んでしまいました。この勘違いを友人に話すと、「普通は間違えないよね……」「何で事前にEチケットをチェックしなかったの?」と言われました。ネットを見ると、同様の経験がある人も少なからずいるようで安心しました。皆さんにも、よく似た経験があるのではないでしょうか?

3.筆者が考える勘違いの特徴

 筆者が考える勘違いの特徴を以下に示します。

3.1 ミスの根本は勘違い

 自分のミスをなぜなぜ分析(「なぜ」を数回繰り返して深堀りする)すると、勘違いが原因のことが多くあります。

3.2 勘違いはなくならない

 当たり前の事象でも、いったん思い込むと勘違いしたままです。そのため、「途中で誰かの指摘がある」「自分で勘違いに気付く」がない限り、勘違いをなくすことは、ほぼ不可能です。これが、勘違いの恐ろしいところです。

3.3 他人から見るとあり得ない

 勘違いの多くは、他人から見るとあり得ないことです。まさか、「羽田空港と成田空港を間違えるなんて」と誰もが思います。これも、勘違いの非常に恐ろしいところです。

3.4 本人は正しいと思っている

 勘違いをしている人は、「まさか自分が勘違いするわけない」と思います。特に注意すべきは、「自信満々の勘違い」をする人です。筆者の経験上、相手が「正義感の強い人」「自分の上司」の場合、なかなか相手は自分の意見を聞いてくれず、正しい道へ進めないケースがあります。これは、相手が自信満々で間違っているからです。

3.5 経験が足かせになる

 場合によっては経験が邪魔をします。例えば、「あのときはうまくいった」などの体験があっても、今回も同じように行くとは限りません(多くはうまくいくでしょうが)。過去の成功体験が毎回、当てはまることはないと考えましょう。

 上記の通り、小さな勘違いなら大事に至らず笑い話で終わりますが、時として勘違いが大事件につながります。

 ソフトウェア開発においても、勘違いがバグにつながるケースが非常に多くあります。例えば、「仕様を勘違いして実装した」などがあるでしょう。今回は、ソフトウェア開発における、「勘違い」が原因のバグを解説します。

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