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古い機械や人手作業、データ化されていない情報をどうスマート化すべきかいまさら聞けないスマートファクトリー(5)(2/4 ページ)

成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。前回から製造現場でつまずくポイントとその対策についてお伝えしていますが、第5回では、「データ収集」についてのアプローチと、データ化が難しい部分の対策について解説していきます。

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スマートファクトリー化で誰もが行き詰まるデータ化の壁

 さて、前回、データ活用までの負荷に関して大きく悩んでいた矢面さんですが、無事に話を進めることに成功したようです。

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印出さん、こんにちは。


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矢面さん、こんにちは。「現場で成果が出ない問題」は解決に進みそうなの?


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前回お話を伺って「データ準備」「データ整理」の必要性については、共通認識ができつつあるような気がするんですが、取れているデータを整理した上でやっぱりもっと多くの機械から情報を集めなければだめだという話になったんです。


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集めたデータを整理した上で、目的に対して足りないデータが見えてきたのであれば、順番としては正しいアプローチだと思うわ。


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そうですよね。ありがとうございます。その点については現場のみんなも納得してくれたんですが、今度はデータの取り方で悩んでいるんです。


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どういうこと?


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新しい機械はすぐにデータ収集を自動化する仕組みができるんですが、ボトルネックになっている古い機械のデータをどう収集するかで悩んでいるんです。イーサネットなどのインタフェースもなく、データもアナログ計で吐き出されるような古い機械で、今までは手書きで数値を書きとっていたのですが、それを「データ化」といってよいのかと……。


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収集の部分で人手を挟むのはスマートファクトリー化という面では避けた方がいいわね。「データ化」というのは「データ収集の自動化」という意味も含むのよ。


 日本の製造現場では、さまざまな機械の稼働情報や保全情報、ワークの品質情報など、さまざまな情報が管理されています。しかし、現状ではその多くが「人手」で記入されている場合が多いというのが現状だと思います。こうした「人手による情報」も「データ」ではあるのですが、こうした作業は現場作業者の負担になります。スマートファクトリー化で情報を記録する種類や量が増えればそれだけ負荷が増えるということになり、そうなると、データ記録の抜け漏れや正確性に問題が生まれてくることは当然の流れになると考えます。

 前回も説明したように、データを活用してその知見を現実世界に戻すようなサイクルを考えるのであれば、「データ収集を自動化する」ことが必要なアプローチだと考えます。「活用できるデータ」が「自動で集まる」という状況が生まれれば、データについての分析も進み、それを活用して成果を生み出すまでの負担を大きく軽減できます。

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