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EV時代も新たな雇用を創出、ルノーと日産が強調自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

さて、今週も自動車業界は電動化の話題が絶えませんでした。まずは、2030年までに電動車の販売比率90%としていたルノーが、同年までにEV(電気自動車)の販売比率を90%にすると発表しました。

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 土曜日ですね。1週間おつかれさまでした。今週は痛ましい交通事故がありました。千葉県八街市で、下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷しました。そのトラックの運転手の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されたとのことです。事故現場を首相の菅義偉氏が訪れ、歩道を設置したいという八街市に全面協力すると語ったことも報じられています。

 小学生が事故に巻き込まれたので、同じように小学生の子どもを持つお父さんお母さんはわが事のように悲しく思ったかもしれません。飲酒運転の危険性が周知され、厳罰化されているにもかかわらずお酒を飲んで運転したドライバーに対し、腹立たしさを感じた方もいるかと思います。

 先日、ある交通事故の遺族の方と少しお話しする機会があり、「部外者が遺族以上につらく悲しいということはあり得ないし、部外者が加害者に対して怒りをぶつける必要はない」というような趣旨の話を聞きました。悲惨な交通事故が起きると、それがいかに痛ましい出来事であったか、場合によっては加害者がいかに許しがたいふるまいをしているかが詳細に繰り返し報じられます。それを見聞きして、悲しんだり腹を立てたりすることは簡単です。その遺族の方が言わんとしていたのは、そのような感情の発露だけで止まってもあまり意味はないということなのかな、と思います。

 今回の八街市の事故でいえば、ガードレールの設置をはじめとする道路行政、小学生の登下校の安全確保、アルコール依存症への支援など、同じような事故を繰り返さないためにさまざまな対策が考えられます。私はやはり、技術で何ができるのかという点に関心があります。飲酒運転させないためにシステムや仕組みで何ができるのか、今回と同じような状況で自動運転技術やADAS(先進運転支援システム)は衝突を回避できるのか。ニュースを見聞きして感情的になるばかりでなく、前を向いて動ける人は動いていけるといいですね。

ルノーと日産がEV生産体制を発表

 さて、今週も自動車業界は電動化の話題が絶えませんでした。まずは、2030年までに電動車の販売比率90%としていたルノーが、同年までにEV(電気自動車)の販売比率を90%にすると発表しました。ルノーはグローバル生産台数を2024年までに330万台に削減する計画ですが、欧州では100万台のEVを生産する方針です。


オンラインイベントを開催し、EV戦略を発表しました(クリックして拡大) 出典:ルノー

 100万台分のバッテリーは、エンビジョンAESCと、Verkor(ヴェルコール)の2社が供給します。エンビジョンAESCは日産自動車のグループ会社だったオートモーティブエナジーサプライ(AESC)が前身です。エンビジョンAESCはフランスのドゥエにバッテリー生産拠点を設けます。生産量は2024年に9GWh、2030年に24GWhを計画しており、20億ユーロ(約2600億円)を投資します。バッテリーのクローズドループリサイクルにも取り組みます。

 ヴェルコールとは、Cセグメント以上のモデルに向けて高性能バッテリーを共同開発します。また、ルノーはヴェルコールに出資し、出資比率を20%とします。ヴェルコールは2022年にパイロット生産のラインを立ち上げ、2026年に10GWh、2030年までに20GWhに生産量を増やします。

 「メガーヌ」のEVモデル向けにバッテリーを供給するLG化学との協力も継続していますし、グループPSAが立ち上げたバッテリー会社オートモーティブセルカンパニー(ACC)のエコシステムへの参加も議論が進行中とのこと。さらに全固体電池の研究もアライアンスで取り組んでいます。

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