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レノボがエッジコンピューティング領域強化を本格化、新ブランド立ち上げFAニュース

レノボ・ジャパンは2021年7月6日、エッジコンピューティングの専門ブランド「ThinkEdge」を立ち上げ、専用端末「ThinkEdge SE30」「ThinkEdge SE50」を発売すると発表した。

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 レノボ・ジャパンは2021年7月6日、エッジコンピューティングの専門ブランド「ThinkEdge」を立ち上げ、専用端末「ThinkEdge SE30」「ThinkEdge SE50」を発売すると発表した。

拡大するエッジコンピューティングへの対応を強化

 IoT(モノのインターネット)の進展などから、現場に近い領域でデータを処理するエッジコンピューティングへの関心が高まっている。こうした中で、レノボ・ジャパンでは2019年に「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」「ThinkSystem SE350」を発表し、エッジコンピューティング用デバイスに参入。今回さらにエッジコンピューティング専門の新ブランド「ThinkEdge」を立ち上げ、エッジコンピューティング領域の強化を進める考えだ。

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クラウドとエッジコンピューティングの役割分担(クリックで拡大)出典:レノボ・ジャパン

 ブランドの位置付けについて、レノボ・ジャパン コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 プロダクトマネージャーの賈新氏は「ThinkEdgeはハードウェアだけでなくセンサーやカメラやソフトウェアなども含めたエッジコンピューティングソリューション全体のブランドとして展開する。ハードウェアとしては、現場で使えるような耐環境性能や連続使用性能などを満たす他、インダストリー向け専門のインタフェースなど特殊用途に対応していることが特徴となる」と語っている。

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ThinkEdge SE30(クリックで拡大)出典:レノボ・ジャパン

 新たに投入する「ThinkEdge SE30」は、本体寸法が約179×51.5×88mmで、質量約1.02kg(最大構成時)のコンパクトなエッジIoT専門端末である。IoTおよび組み込み機器向けの、第11世代インテル Core i5-1145GREおよびCore i3-1115GREプロセッサを搭載する。ビデオポートはType-C、Thunderbolt 4 の他、Core i5モデルはDisplayPort、Core i3モデルはHDMIを搭載する。OSはWindows 10 IoT Enterprise LTSC、Ubuntu Server、Ubuntu Coreから選択可能とし、ストレージは最大2TBを用意する。

 ファンレス構造により、静音性が高い他、ほこりを吸い込まないため耐久性なども確保する。ヒートシンクを底面にも採用したことで、稼働温度ー20〜60℃まで対応していることも特徴だ。冷凍食品を扱う倉庫や金属加工を行う工場など、低温から高温まで厳しい環境でも活用できる。その他、MIL-STD810Hに準拠した堅牢性、24時間365日の連続稼働にプラス5年間保守を加え信頼性も確保している。5G、4Gのモジュール搭載にも対応する他、Wi-Fi、Bluetooth、RJ-45など多様な接続性も確保した。販売価格は15万8400円(税込み)からとしている。

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ThinkEdge SE50(クリックで拡大)出典:レノボ・ジャパン

 「ThinkEdge SE50」は、本体寸法が約179×72×182.9mmで、質量約3.21kg(最大構成時)のハイパフォーマンスなエッジコンピューティング端末という位置付けである。第8世代インテル Core i7-8665UEおよびCore i5-8365UEプロセッサを搭載し、画像処理用に第3世代インテル Movidius VPUも搭載可能としている。工場内でカメラの映像を通じて品質判定を行ったり、オフィス内の社員の顔認証を行ったりするなど、エッジでの画像分析やディープラーニングの活用を想定している。

 メモリは最大32GB、ストレージは最大2TBまで拡張できる他、MIL-STD810H準拠、IP50による防塵性能を備えている。稼働温度0〜50℃で、3年間の保守に対応している。オプショナルポートにはRJ-45の他、車載ネットワークやFA、産業機器など多方面で使われているシリアル通信プロトコルCAN、LEDライトやPLCとの接続に適したDIO採用モデルも選択可能としている。価格は22万4400円(税込み)からとする。

ソリューションとしての提供が強みに

 レノボ・ジャパンでは、こうしたハードウェアの提供だけでなく、クラウド基盤やデータを活用するアプリケーションソフトウェア、ソリューションなどを一括して提供していく方針。そのためにも協業パートナーとの展開を重視する。記者発表会では、日本マイクロソフト、アステリア、岡谷エレクトロニクスが参加し、IoT領域の開拓に共同で取り組む方針を示した。賈氏は「競合製品も多くあるが、一番の強みはハードウェアだけでなく、ソフトウェア、センサー、開発システム含めて一式で提供できるようにしていることだ。自社だけで不足する部分はパートナーとの協業を進めニーズに応えられる体制を構築する」と語っている。

 また、レノボ・ジャパンとして、エッジコンピューティング領域を強化する意義について、レノボ・ジャパン 執行役員 副社長の安田稔氏は「DXにより拡大するIoT領域で大きな役割を果たすエッジコンピューティング分野でしっかりと顧客を獲得していくことが狙いだ。PCでグローバルで高いマーケットシェアを持つスケールメリットを発揮し、コンピューティングパワーをあらゆるビジネスに展開する」と考えを述べている。

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