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数十万枚から目当ての図面を数秒で検索、高速図面検索ソリューション図面検索

製品や部品の見積もり時、過去の図面を参考に金額を決定する製造企業は多い。ただ、保管している図面の枚数が何十万枚にも上る場合、目当ての図面を見つけるのに多くの時間が必要になる。ベテラン社員しか図面の場所が分からないなど、属人化が生じやすいのも難点だ。これらを解決するのが日立ソリューションズの「類似図面検索ソリューション」である。

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 過去の製品や部品などの図面は、製造企業にとって大きな資産だ。新しい製品や部品を設計する際に参照できる上、顧客からの発注を受けて見積もりを作成する時の参考資料としても活用できる。こうした理由から、過去の図面を何万枚、何十万枚と保管している企業も少なくないだろう。

 ただ、図面が紙ベースで保管されている場合、基本的には目当ての図面を手作業で見つけることになる。これは多くの時間がかかる上、属人性の高い作業でもある。経験を積んだベテラン作業者なら図面の場所の見当がすぐに付くかもしれないが、現場入りして日の浅い新人が何十万枚とある図面の山から特定の図面を探し出すのは難しい。将来的にベテラン作業者が退職した場合、有用な図面を資産として十分に活用しづらくなる上、検索作業の作業負担はより大きなものにもなるだろう。

 こうした課題を解決して、図面検索作業の時間短縮と作業の標準化に貢献するのが、日立ソリューションズの展開する「類似図面検索ソリューション」だ。同社独自のアルゴリズムなどを搭載したソリューションで、何十万枚もの図面のデータベースから目当ての図面を数秒程度で高速に探し出せる。


類似図面検索ソリューションで検索作業を効率化[クリックして拡大]

独自アルゴリズムで高速検索

 高速検索を可能にするのが、ソリューションの中核的役割を担う「類似図面検索AIソフトウェア」だ。他社製品にはCADデータやテキストデータをベースに図面検索を行うものもあるが、類似図面検索AIソフトウェアには画像ベースの検索用アルゴリズムを搭載している。


日立ソリューションズ サスティナブルシティビジネス事業部 新事業推進部 セールスグループ 技師の渡辺敏之氏

 具体的には、自社で保有している紙図面をスキャンして画像データ化してから、AI(人工知能)が図面の形状に基づいて、過去の図面を分類、データベース化する。この際に独自アルゴリズムが図面の形状や構造を自動認識する。これらの独自アルゴリズムを活用することで検索の高速化を実現しているという。

 また、2D図面だけでなく3D形状モデルデータの検索にも対応している。これによって、2D図面と3D形状モデルデータの検索システムが統合できるようになる。従来は、2D図面の検索システムをベースに、3D形状モデルデータを2D図面に変換して登録するなどの対応がとられていたが、そういった手間を不要にするわけだ。日立ソリューションズ サスティナブルシティビジネス事業部 新事業推進部 セールスグループ 技師の渡辺敏之氏は「現在、製造業を中心に2D図面の3D化を目指す動きが広がりつつあります。一方で、企業は過去の2D図面を多く蓄積しているので、2D図面の検索頻度は減っているものの、2D図面に対応する検索システムの廃止はできないというケースも実は多いのです。こうした企業にも安心してご活用いただけます」と説明する。


3D図面検索にも対応する[クリックして拡大]

 この他にも、「図面比較機能」を搭載している。類似した2つの図面を比較することで、目視による図面レビューで起こりがちなチェック漏れを防止する。


目視では見落としがちなチェック漏れを防止する[クリックして拡大]

 類似図面検索AIソフトウェアは単体での利用も可能だが、REST(Representational State Transfer) APIを活用して他の図面検索用システムと外部接続することも可能だ。例えば、利用者が既にテキストベースの図面検索システムを導入、構築している場合には、REST APIで連携すれば、既存の検索インタフェースはそのままに類似図面検索AIソフトウェアを呼び出して使用することもできる。

 なお、類似図面検索ソリューションでは類似図面検索AIソフトウェアの提供に加えて、ソフトウェアの導入前後におけるコンサルティングやサポートサービスも有償で提供している。ソフトウェア自体は専用インストーラーなどを使うことで、利用者自身が導入することも可能だ。ただ、例えば、既存ITシステムとの連携や、他の新規ITシステムの導入も併せて検討する場合には、各システムやソリューションを考慮した導入プロセスの検討が求められる。有償サポートでは、こうしたケースへの対応をしっかりとサポートする。

総検索業務時間を5分の1に削減

 類似図面検索ソリューションは既に、多数の国内企業に採用されている。例えば、ある国内大手自動車メーカーは、出荷予定製品の価格を決定する部署での作業効率化を目指して導入した。

 その部署では従来、図面検索をほとんど目視による手作業で行っていた。ただ、図面は製品型番などが割り振られる以前の状態で保管されているため、目当ての図面を探すには形状などを手掛かりに過去の図面を1枚ずつ調べなければならなかった。新人作業者の場合、図面検索の作業だけで1日を費やすこともあったという。

 類似図面検索ソリューションの導入相談を受けた日立ソリューションズは、まず要件定義のためにヒアリングを行い、導入時に大きな成果が見込める業務範囲を提案した。その上で導入前の価値検証を実施して、その後、既存社内システムとのシステムインテグレート作業などを行った。現在は、現場実態に合わせた検索業務の効率化を図るため、システムアップデートを継続的に実施している段階だ。

 ソリューションの導入効果について、渡辺氏は「同社では図面検索業務にこれまで年間約5000時間を費やしていましたが、それをソリューションの導入によって約1000時間にまで短縮することができました。時間削減だけでなく作業の属人性を排除して、誰でも簡単に検索できる環境を整備することに成功したのです」と説明する。導入後の顧客からの反応も良好で、類似図面検索AIソフトウェアに図面を追加学習させたいという要望も受けており、さらなる業務の自動化推進に意欲を見せているという。

 類似図面検索ソリューションは現在、ここで紹介した自動車メーカーの他にも、自動車部品メーカーや医療機器メーカー、賃貸住宅関連の建築系企業などによる採用が着実に進んでおり、引き合いも多い。

 ソリューションの種類は、全機能を使用できる「Professional」と、図面の全体検索と図面比較機能が利用できる「Standard」の2タイプがある。料金はいずれも税抜きで、Professionalのパッケージ版が600万円でサブスクリプション版は月額12万円、Standardのパッケージ版は300万円でサブスクリプション版は月額6万円となっている。サーバライセンス形式で提供するため、利用人数が増えても金額に影響はない。ただ、導入時の有償サポートや、導入後のシステム調整などで料金は前後する可能性がある。

 渡辺氏は類似図面検索ソリューションの今後の展開について、「ソリューションの提案時や価値検証実施時に、お客さまから機能に関する要望をヒアリングして、ソリューションの改善を続けていきます。また、PLMシステムや図面管理システムなどと連携させることで、類似図面検索ソリューションはより便利な使い方ができるようになります。さまざまな既存システムに対応することで、業務効率化や属人性の排除に基づいたDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する、具体的なご提案をさせていただきます」と語った。


提供:株式会社日立ソリューションズ
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年9月25日

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