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「夏には半導体不足解消」の予想は実現せず、不透明な中でもしこりを残さないで自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

さて、今週も引き続き、半導体不足の影響が話題となりました。「半導体が足りない!」と自動車業界がザワザワし始めたのは、2020年末から2021年の初めにかけてだったように思います。

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 1週間お疲れさまでした。土曜日ですね。今週は急に肌寒くなりました。体調を崩さないよう、気を付けて過ごしましょう。

 さて、今週も引き続き、半導体不足の影響が話題となりました。「半導体が足りない!」と自動車業界がザワザワし始めたのは、2020年末から2021年の初めにかけてだったように思います。2020年4〜12月期(2021年3月期第3四半期)の決算が集中した2021年2月は、会見で半導体不足の影響に関する質問が集中しましたね。

 その時点では「供給逼迫(ひっぱく)は2021年の夏まで」「夏までかからない」という見通しが自動車メーカーから示されました。ただ、同じ時期、ルネサス エレクトロニクスは決算会見で決してそのような明るい予測は示していませんでした。また、2月には米国の寒波で半導体メーカーなどが影響を受け、3月にはルネサス エレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生するなど、半導体の需給が厳しくなる出来事が続きました。

 自動車メーカーでは、夏までに半導体の供給不足が解消し、2021年度下期には挽回生産……というストーリーが描かれていたように思います。9月初めの時点で半導体供給不足は全く解消していませんが、2021年度の生産計画を下方修正するという声は聞こえてきません。全て織り込み済みなのかもしれませんが、2021年末まで不足感が続くとの予測もあります。生産できなかった分を取り戻す挽回生産が本当に可能なのか、不透明さが拭えません。

誰も読み切れない、半導体不足の収束時期

 MONOist、EE Times Japan、EDN Japanのアイティメディア製造業向け3媒体は、2021年2月〜3月と7〜8月の2回にわたって、半導体と電子部品の供給不足に関するアンケート調査を実施しました(回答にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました)。この2回の調査結果を比べただけでも、状況の変化や長期戦の気配を感じます。

 1回目の調査では、供給不足が解消する時期について「めどは立っていない」という回答者が33.3%で最多に。この他の回答としては「2021年10〜12月」(25.2%)、「2021年7〜9月」(17.1%)、「2022年以降」(13.0%)と続きました。

 2回目の調査では、「めどは立っていない」(42.6%)という回答者が最多なのは変わりませんでしたが、「2021年内」(3.6%)という回答は大きく減少しました。時系列順に、「2021年度内=2022年3月」(12.9%)、「2022年4〜6月」(20.9%)、「2022年7月以降」(19.7%)となり、来年の夏まで不足が続くと覚悟する回答者も見られました。

 納期について尋ねた2回目の調査では、以前と比べて「数カ月遅れ」(36.9%)、「半年〜1年遅れ」(36.9%)という回答が最多でした。EE Times Japanの村尾記者は、こうした半導体不足の影響として、代替品の品質トラブル、偽造品や粗悪品の流通、一部の企業や業者による買い占めや過剰発注などを指摘しています。

 調査結果からは取引先や顧客との関係が悪化しているケースも見られ、「供給が解消した後も何らかのしこりが残るのではないか」と村尾記者は懸念しています。


第2回調査での調達コストの増加に関する回答(クリックして拡大) 出典:アイティメディア

 結果的に、半導体の供給不足が夏までに(あるいはその前に)解消するという自動車メーカーの見込みは外れました。これだけ複雑で関係者の多い大規模な事象ですので、予測が外れたことを責め立てたいのではありません。このような先が全く読めない状況だからこそ、振り回されたり無理を強いられたりする関係者を少しでも減らす誠実さがさまざまな立場で求められるように思います。

 部品や材料の供給不足で誰もが困る状況にもかかわらず、丁寧に誠実に接してくれる相手がいれば、いずれ報いたいと思うのが人情です。反対に、この状況を利用して足元を見るような相手とはやっていけませんよね。

 第2回の「半導体・電子部品の供給状況に関するアンケート」の結果をまとめた資料は、TechFactory ホワイトペーパー ダウンロードセンターで無料ダウンロードできます。ぜひご覧ください。

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