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オンプレミス設備でもクラウド利用可能にするNTTコムのIoTソリューション製造業IoT

NTTコミュニケーションは2021年10月18日、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するデータ利活用基盤「Smart Data Platform」について、IoT分野の機能強化を図ると発表した。MONOistでは既に同内容のニュースを掲載しているが、本稿はこれを詳報する。

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 NTTコミュニケーションは2021年10月18日、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するデータ利活用基盤「Smart Data Platform(以下、SDPF)」について、IoT(モノのインターネット)分野の機能強化を図ると発表した。MONOistでは既に同内容のニュースを掲載しているが、本稿はこれを詳報する。

大容量データ送信を低コストに

 SDPFは企業のデータ収集、蓄積、管理、データ分析、業務自動化を支援するプラットフォームである。センサーデータや画像、動画、音声、業務システムなどのデータを一元的に収集して分散を防ぐとともに、データをIoT/ネットワーク/加工分析機能やソリューションなどと組み合わせることでDXを加速する。顧客は自社で実現したい価値に合わせて、必要な機能のみを利用できる。


SDPFの概要[クリックして拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 今回、機能強化を図るのは、IoT向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile Type S」、IoTプラットフォーム「Things Cloud」、IoTゲートウェイサービス「IoT Connect Gateway」の3つのソリューションである。


今回機能強化したIoTソリューションの一覧[クリックして拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 IoT Connect Mobile Type Sについては、上りデータ通信の利便性を高める「上り特化プラン」を新設する。上りは最小で3GB、最大で500GBまでの通信量に対応する。価格は上り/下りデータ上限容量によって変動し、例えば上り100GB/下り500MBの場合は月額3020円となる。近年、IoTセンシングを通じた動画や画像収集など大容量データの需要が高まっているが、100GB超の通信でも低コストに抑えやすいという。

 Things Cloudは、IoTデバイスをNTTコミュニケーションズの閉域網接続サービス「Flexible InterConnect(以下、FIC)」経由で閉域網のネットワークサービスと安全に接続できるようにするものである。インターネットを経由しないため、収集したIoTデータの秘匿性を高められる。顧客からの要望が多かった機能で、今回実装したという。

 また、FIC経由で接続することで、AWS、Google Cloud、Azureなどのクラウドサービスとも閉域で連携できるようになった。既にこれらのクラウドサービスを利用している顧客でも、Things Cloudを通じてデータ集約や見える化をシームレスに実現できる。

 IoT Connect Gatewayにおいては、IoTデータの安全なプロトコル変換、クラウド接続アダプターを提供するサービスだが、今回新たにThings Cloudに接続できるようにした。この他、汎用HTTP/HTPPSサーバ、Google Cloud Pub/Sub、Azure Event Hubs、AWS Lambdaへの接続機能も新たに追加した。なお、これらの接続サービスは国内のみの提供となる。


今回機能強化したIoTソリューションの一覧[クリックして拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 これらのソリューションを活用することで、製造業はIoTを活用したスマートファクトリー化を推進しやすくなる。NTTコミュニケーションズ PS本部 データプラットフォームサービス部 5G・IoTタスクフォース長の吉宮秀幸氏は、「例えば監視カメラで広範囲をモニタリングする場合、SSL(Secure Sockets Layer)のトンネリング機能をIoTデバイス側に持たせると、通信量が増大しかねない。IoT Connect Gatewayを使えば、暗号化の仕組みをデバイスに組み込む必要がなくなる。IoT Connect Mobile Type Sの新料金プランを使えば、映像収集のコストも抑えやすい。また、Things CloudはAWSなどのクラウドサービスに閉域接続できるため、オンプレミス設備であっても適用しやすいのも利点だ。クラウドの利用によってメンテナンスの負荷軽減が狙える」と説明した。


製造業が導入するメリット[クリックして拡大] 出所:NTTコミュニケーションズ

 今後、NTTコミュニケーションズはSDPF向けのIoTソリューションとして、エッジコンピューティングや認証/認可のオーケストレーションといった機能を追加していく予定だ。吉宮氏は「ミッションクリティカルで絶対に遅延が許されないOT(制御技術)領域向けの機能を、エッジデバイスなどを通じて実現できるようにする」と語った。

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