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» 2008年05月30日 11時00分 UPDATE

いまさら聞けない エンジン設計入門(5):クランクシャフトはオイルクリアランスに要注意 (1/3)

クランクシャフトのベアリングが焼き付かないよう、メタル嵌合(かんごう)により適切なオイルクリアランスに追い込む。

[山本 照久,@IT MONOist]

 今回はエンジンの主要部品であるクランクシャフトについて解説していきます。クランクシャフトは、ピストンの往復運動をコンロッドを介して回転運動に変える部品で、自動車の回転動力の発生源ともいえる部分です。単に「クランク」と表現されることも多いです。

 クランクシャフトの各部にはそれぞれ名称があります。以降の説明で頻繁に出てくるので、先に説明しておきます。

クランクシャフトは、

  1. コンロッドの大端部と連結する「クランクピン」
  2. クランクシャフト本体をシリンダブロックとともに支える「クランク(メイン)ジャーナル」
  3. クランクピンを支えるための「クランクアーム」
  4. 回転時のアンバランスを取り除くためにクランクアームに設けられている「バランスウェイト」 *「カウンターウェイト」と表現されることもあります。

という大きく分けて4つの部分で構成されます(写真1)。

alt 写真1 クランクシャフトの各部名称 写真はV型6気筒エンジンのクランクシャフト

 クランクシャフトはピストン上部で発生する爆発エネルギーを常に受けながら、高速回転します。その円滑な回転のために、強度や剛性、耐磨耗性が要求されます。これらの過酷な条件を満たすために、クランクシャフトには炭素鋼やクロムモリブデンなどの特殊鋼、特殊鋳鉄などが素材として用いられています。

 さらに直接大きな荷重が掛かりながら摺動をするクランクピンとクランクジャーナルは、耐磨耗性を向上させるために表面硬化処理加工(高周波焼入れなど)が施されています。

 クランクシャフトの回転数はエンジン回転数そのものです。1分間に数千回転という高回転を繰り返すため、少しの重量バランスの狂いがエンジン振動や回転抵抗となってしまいます。そこで1つ1つのクランクシャフトは、それぞれ製造時において重量バランスが確認され、バランスウェイトに穴を開けることで質量の調整が施されています(写真2)。

alt 写真2 バランスウェイトの質量調整穴
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