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» 2008年08月21日 00時00分 UPDATE

演習系山田式 機械製図のウソ・ホント(7):自社内だけでなく海外でも通じる図面を描く (1/2)

日本で量産の実績があるのに、アジア各国で同じ部品を作ると問題が発生する。いいかげんな製図もその原因の1つだ。

[山田学 ラブノーツ/六自由度技術士事務所,@IT MONOist]

 前回出題した【問題6】の解答を以下で解説していきます。幾何公差が複雑に関連する事例です。データムは計測基準とともにその形体を拘束して計測のあいまいさをなくす役割を果たします。

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【問題6】の解答

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ポイント1

 振れ公差は、円周上の母線の振れを規制するため、寸法線と明らかに離した位置に幾何公差を指示しなければいけません。母線指示と軸線指示の違いを十分に理解しておきましょう。

ポイント2

 ここでは図面しか手掛かりがありませんが、問題6の軸は、データムAとデータムBをそれぞれ軸受けで支持することで中央の回転振れを規制していると想定できます。優先順位として、データムA、次にデータムBと設定するより、データムAとデータムBの共通軸線として指示する方が適切であるため、データムを「A―B」と指示する方が適切であると判断します。

ポイント3

 振れ公差は円周上の振れを規制します。ついつい幾何公差値に「φ」を付けたくなりますが、ここでは振れ幅を表すため「φ」は付きません。

ポイント4

 共通軸線A―Bに対して、指示している面は平行ではなく直角の位置にあるため、直角度で指示しなければいけません。

ポイント5

 本例では、キー溝が軸線に対して中央にあってほしいという意味だけであれば、A―B平面に対して対称度を指示すればよいのですが、データムDも参照しています。これはキー溝が軸線に対して中央にあってほしいという意味に加えて、データムDはφ6穴を意味するため、その穴に対して直角度もほしいことがうかがえます。このとき、「対称度はデータムを1つしか参照できない」という決まりがあるので、位置度公差として表さなければ文法上の間違いになります。

ポイント6

 面の輪郭度公差は、理論的に正しい面からのずれを規制するため、理論寸法で形状を指定しなければいけません。そのため、六角形状の幅寸法と隣り合う2つの面のなす角度を理論寸法として四角い枠で囲まなければいけません。

ポイント7

 面の輪郭度公差を指示した面は、六角形状の1つの面だけです。ここでは六角形状として面の輪郭度を表さなければいけないため、6カ所の面という意味の「6×」を幾何公差記入枠の上に指示することで6面を同時に規制することができるのです。

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