Special
» 2017年03月27日 10時00分 UPDATE

エレクトロニクス企業の国際競争力を高める、カギは国際標準

国内のエレクトロニクス関連企業の高い競争力、これを世界に示すにはどうすればよいだろうか。品質に対する認識を企業内で統一して、国際標準に則っていることを示すことが役立つ。IPCとジャパンユニックスが作り上げたオンライン教材を役立てることで、若手からベテランまで企業内の誰もがIPC国際標準を理解し、現場で活用することができるようになる。

[PR/MONOist]
PR

 確かなものづくりができる日本企業。エレクトロニクス関連の製造業の強みは品質だ。しかし、海外企業と幅広く取引しようとしたとき、自社が誇る品質を理解してもらえないことがある。これを助けるのがグローバルスタンダードとなっているIPC標準だ。

 IPC標準は、世界中のエレクトロニクス関連企業が集まって、内容を定めたもの。政府ではなく、企業主導の品質基準だ。エレクトロニクス製品の品質をグローバルレベルで標準化することが目的である。24カ国語版全てで標準書のページや写真の番号を統一しており、全世界の生産プロセスで一定の品質を保つ際に役立つ。

 「一般的な国際標準書には『なぜこのようにするのか』『どうしてこうしてはいけないのか』といった理由は書きません。結論だけを示しており、工場に配属されたばかりの新人では、その背景まで理解することは非常に困難です。そこで、国際標準を『なぜ』を中心に学ぶことで現場を含む企業内のさまざまな役割、職種の方々が品質に対して共通した見方と理解ができるよう、オンライントレーニング教材をIPCと協力して作り上げました(図1)」(ジャパンユニックス)。

 IPCに加盟する多数のエレクトロニクス企業に属するトレーニング開発委員が内容をデザインした。現場に役立つもの、現場の作業に反映しやすいものだという。

なぜオンライントレーニングなのか

 教室で講師から学ぶ場合と比較して、オンライントレーニングには幾つもの異なる利点があるのだという。

 「教室型では例えば一週間出張しなければならず、その間通常業務はできません。出張旅費や受講者の人件費、受講料など費用が掛かります。オンライントレーニングにも受講料は必要ですが、その他の費用は必要ありません。受講者自らのペースで学ぶことができるため、学んだことを通常業務に反映しながら進めることもできるのです」「教室型のトレーニングでは、受講するメニューを自由に選ぶことがなかなかできません。IPCオンライントレーニングでは、はんだ付や金属部品組立といった各工程に合ったモジュール(コース)を9種類用意し、自由に組み合わせて受講できるようにしました」(同社)*1)

 そもそもなぜこのようなトレーニングが必要なのだろうか。一部の大企業を除くと、教育コースを設けている企業は少ない。教育は全てオンザジョブトレーニング(OJT)で進めるという場合も多いだろう。

 「OJTは品質が人に依存するという課題があります。IPCのオンライントレーニングであれば、グローバルスタンダードに沿ったものづくりの考え方を学ぶことができ、不良品の判断基準を全世界で統一できます」(同社)。

*1) IPCのオンライントレーニングは大きく分けて2種類ある。現場の作業者に向く「認定IPCスペシャリスト(CIS)」と、教授役に向く認証IPCトレーナー(CIT)」だ。動画の時間はCISが約16時間、CITが約17.5時間。

理由が分かると応用が利く

 IPC標準では、基板上に部品を実装する際に、さまざまな判断基準を設けている。標準書をひもとくと、実際の数値が細かく掲載されている。

 電子設計の専門家であれば、ある実装がなぜ許容できないのか、理解できる。そのような不良が製品にもたらす長期的な影響も分かる。しかし、就職したばかりの新人はもちろん、これまでとは異なるラインに配属された人材には意味が分からないことも多いだろう。

 例えば高周波部品を実装する場合だ。IPCでは、基板の底から飛び出すリードの長さに許容基準を設けている。なぜだろうか。IPCオンライントレーニングで該当部分を再生するとこうある(図2)。

 「基板の底からリードが飛び出しすぎてしまうと、突出したリードは小さなアンテナのように作用する場合があります。そして高周波適用品だと信号を捉え、回路の異常を引き起こすことがあります」。

図2 高周波部品の実装についての解説画面

 DIPパッケージを基板に実装する場合、部品と反対側で端子を基板側に折り曲げる。このとき内側に曲げてはいけない。なぜか。理由は2つある。端子間でショートする危険があること、折り曲げ後にパッケージ自体が傾いて動いてしまう可能性があることだ(図3)。

図3 DIPパッケージの実装についての解説画面

 「このような内容をOJTで進めると、『こうしなさい』となって、なぜという説明がない、理由を伝えきれない場合が多いのです。IPCのトレーニングでは『なぜだめなのか、なぜよいのか』という理由や背景説明を重視し、必ず先生が説明します。今回のオンライントレーニングにもこれを盛り込みました。身振り手振りや、トレーナーの手書きのメモと合わせて解説しています。電子部品の実装関連で、ここまで細かく説明している教材はこれまでありません」(同社)。

オンライントレーニングの魅力を追求

 今回の教材を作り上げる際、教室型トレーニングでは難しい、オンラインならではの機能も作り込んだのだという。

 まずIPCトレーナーの第一人者であるクリス・ロバートソン氏が18時間分のトレーニングを実演。これを撮影し、英文テキストを作成、日本語訳後、口語化して吹き替えと字幕を入れた。講義の風景を単に録画した内容ではない。

 オンライン型であるため、再生速度を0.5〜3倍の範囲で変更したり、繰り返し再生や巻き戻しも簡単だ。再生プラットフォームも幅広い。スマートフォン(図4)、タブレット、PCで受講ができる。

図4 スマートフォンでの受講の様子

 タブレットやPCの画面は広いため、左下にノート(メモ)を記す画面を表示できる(図5)。ノートの冒頭に再生中の動画のタイムスタンプが入るため、復習の際に見返しやすい。

図5 ノートを記したところ 基本的な画面構成は左側にトレーナー、下部に字幕、右側に標準書の該当ページが表示される

 検索機能にも優れる。トレーナーの発言データは全てテキスト化されているため、字幕をテキスト検索し、該当する動画の部分をすぐに再生できる(図6)。

図6 検索機能を利用して特定の用語が含まれるモジュールを表示したところ

 「教室で学ぶことと、オンラインで学ぶこととは学び方が違います。そこに着目しました。教室型は先生が話していて、戻ろうとしても戻れません。IPCオンライントレーニングでは閲覧者ごとにメモを残し、戻って再生し、さらに検索も利用できるのです」(同社)。

資格認定試験にもつながる

 冒頭で紹介したように、IPCオンライントレーニングは認証取得を目的としている。一般のeラーニングでは学習するだけだが、資格取得につながっているところが特徴だ。

 「これまでは海外企業との契約段階でIPC標準に従った品質の管理を要求されるだけでした。しかし近年、IPC認定資格者をラインに入れることや、IPC標準に則っていることを証明せよという要求が先方から来るようになりつつあります。取引先から資格の取得や、トレーニングの受講を要求されるのです」(同社)。

 「さまざまな工程を扱ったモジュール(コース)がありますから、取引先との間で品質の認識を統一したい工程や、企業内の拠点の要望に応じて受講してはいかがでしょうか。200カ所の試験センターと提携しているため、受講後は全国で認証試験を受けることが可能です。北海道から沖縄まで近所の受験会場を予約できます。IPCトレーニングと試験の組み合わせの他に、試験だけを選ぶこともできますが、2つを組み合わせると効率的でしょう」(同社)。

 IPCの認証試験は、一般の資格試験とはかなり内容が異なる。標準書の内容は丸暗記する必要がない。現場の作業者に向くCISの試験では、試験会場にIPCの標準書を持ち込み可能だ。

 「試験で調べたい能力はこうです。ある問題に直面したときに、どこに解決策があるのか。解決策を見て、国際標準に従った正しい判断ができるかということです。これはIPCのトレーナーも繰り返し動画の中で説明しています。試験で与えられた課題に対して、IPC標準書の正しい箇所を開いて参照し、課題が解決できるかどうかを見ています。『標準書は、現場で運用できてなんぼ』という考え方なのです」(同社)。

 現場で起こり得るような課題が与えられ、それを国際標準で定められた判断基準に沿って正しい判断ができるかどうかを調べる試験だ。

サンプル版を見て内容を確認できる

 ジャパンユニックスは2017年4月の開講に向けて、IPCオンライントレーニングの内容を紹介し、申し込みが可能なポータルサイトを開設した(ポータルサイトはこちら)。

 ポータルサイトで登録を行うと、一部内容を無料で体験可能なURLを受け取ることができる。9つのモジュール(コース)の一部で、講義内容を部分的に視聴できる。

 IPCオンライントレーニングの受験・受講料金は1万円(IPC会員の場合)から最大14万円(IPC非会員の場合)まで。IPC会員は受講料が半額になる他、1人分のCIS受講料が無料になる特典が付く。なお、2017年7月以降は、オンラインの他に、教室型トレーニングも展開していく予定だ。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社ジャパンユニックス
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年4月26日

関連記事

日本企業のものづくり、特にエレクトロニクスの実装にかかわる企業の強みはなんだろうか。品質である。だが、海外企業との取引において、高い品質を十分に打ち出すことができているのだろうか。高品質の装置を製造し、かつ海外市場で成功している事例がある。半導体検査装置に強みがあるアドバンテストだ。同社の売上高に占める海外比率は90%以上に達している。

国内のエレクトロニクス企業が海外の企業から部品を調達したり、海外の企業から製造委託を受ける際、「IPC規格」について問われる機会が多い。だが、日本企業の製造品質は高い。なぜIPC規格が必要なのだろうか。IPCのプレジデント兼CEOを努めるJohn Mitchell氏にIPCの意義と活動内容を聞いた。

高品質・高精度のはんだ付け装置で世界的に知られるジャパンユニックスが、国際的な品質標準規格であるIPCの国内普及に乗り出す。装置メーカーである同社がIPCの普及を目指す背景には、日本の製造業が社内標準によって高めてきた品質を、海外の顧客により良く(効果的に)伝える手段を提供したいとの想いがある。

ジャパンユニックスは、はんだ付け速度を従来の2倍に高速化したレーザーはんだ付けロボット「UNIX-FSシリーズ」や、レーザー照射径を可変にすることで作業効率を高められる「マルチφレーザー」などを「ネプコンジャパン2014」で公開した。生産性を高められるこれらの新製品により、リフロー装置の置き換えを狙う。

ロボットが多能熟練工になる!? ――。装置型産業における生産の自動化が進む一方、人手による作業が多かった組み立て生産領域の自動化が急速に進もうとしている。そのキーワードとなっているのが「ロボットセル」だ。ロボットがセル生産を行う「ロボットセル」はどのような価値をもたらし、どのような課題を残しているのか。日本ロボット学会会長の小平紀生氏が解説する。