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» 2017年09月12日 06時00分 公開

タイヤ技術:空気不要のタイヤ、時速120kmでの走行が可能に (2/2)

[齊藤由希,MONOist]
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転がり抵抗とウエット制動距離は市販品以上に

 試乗会では、東洋ゴム工業がテストコースでノアイアと市販タイヤを比較した結果も紹介した。市販タイヤは同社のベーシックタイヤである「トーヨー テオプラス」(155/65R13)、ノアイアは外形540×幅140mmの14インチ相当のサイズで比較した。

 ノアイアは、耐久力で155/65R13サイズの法規に相当する基準をクリアした。法規を満たさない従来の試作品の8倍の耐久性となる。転がり抵抗値は市販品から25%改善、ウエット制動距離は市販品と比較して4%向上している。車外騒音は155/65R13サイズの法規を1dB超えているが、従来の試作品が法規を10dB上回っていたので大幅に改善したといえる。

 試乗会は、万博記念公園(大阪府吹田市)の敷地内の舗装された広場で行った。晴天だったこともあり路面は乾いていた。ノアイアを装着したアルトを運転してみたところ、直進やコーナリングの運転感覚に特に違和感はない。急ブレーキの停止距離は日頃運転する空気入りタイヤとそん色ない。また、速度の割によく転がるという印象だった。強いていえばロードノイズが目立つかもしれない。

 試乗車両が走る様子を車外から眺めていると、カラカラという空気入りタイヤでは聞かない音が聞こえた。これがスポークの打撃音なのだという。耳障りな音量ではなかった。

試乗車両はスズキ「アルト」(クリックして拡大)
違和感のない運転感覚だった(左、中央)トレッド面はアルファベットのXがモチーフ(右)(クリックして拡大)

量産にはまだ遠い?

 東洋ゴム工業のテストドライバーのフィーリングテストでは、操縦安定性や車外騒音が従来の試作品から飛躍的に改善したとの評価だったという。一方で、車内音や乗り心地の硬さは空気入りのタイヤにまだ及ばないため、今後の改良点として挙げられている。路面からの入力を低減するには、スポークの形状や外径リングの工夫がさらに必要になるという。

 ウレタンを使用することによるリサイクル上の制約や、外見上の劣化につながる耐候性の解決も今後の開発課題となる。また、1トン以上の車両重量の乗用車にも適用させる他、より高い速度域での走行も目指して開発を進めていく。

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