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» 2018年06月12日 10時00分 公開

よくわかる「標準時間」のはなし(6):標準時間の設定手順 (1/4)

日々の作業管理を行う際の重要なよりどころとなる「標準時間(ST;Standard Time)」を解説する本連載。第6回は、少し複雑な標準時間の設定を理解するのに役立つ“標準時間の設定手順”について説明する。

[福田 祐二/MIC綜合事務所所長,MONOist]

 本連載『よくわかる「標準時間」のはなし』では、標準時間(ST:Standard Time)の設定について話を進めていきますが、今回は「標準時間の設定手順」について説明します。どのような精度で標準時間を設定し、運用していくかによっても標準時間そのものの精粗は異なってきますが、正式な設定手順をたどると少し複雑かもしれません。そこで、今回は標準時間の設定について、その理解の一助として概念的な“標準時間の設定手順”から説明していきたいと思います。

1.時間研究

1.1 時間研究とは

 「時間研究」は“仕事をある単位(要素作業)に分割し、時間を物差しとして測定や評価を行う手法”のことです。要するに時間研究の直接の目的は、仕事を進めていく上で必要な時間的経過を分析し、ムダな動作や作業、工程を取り除くことによって有効時間を増加させるとともに、作業に必要な標準時間を設定することをいいます。

 また、標準時間とは、決められた方法と設備を用いて、決められた標準作業手順や条件の基で、その作業に対して要求される普通の熟練度を持った作業者が、普通程度の努力と作業ペースで1単位の作業量を完成するために必要な所要時間をいいます。

1.2 時間研究の目的

 時間研究は、主として以下の目的で行われます。

(1)作業システムの改善

 作業の全体であるとか、各作業要素の所要時間の大きさ、バラツキの程度、組み作業のロス時間などを観測して改善の手かがりとします。

(2)作業システムの設計

 ある仕事を成し遂げるやり方として複数の方法があるとき、それぞれの優劣の判断基準を提案する時や、作業システムの設計に用いるために普遍的な時間資料を作成する場合に行います。

(3)作業システムの運用

 ある仕事の遂行に必要な標準時間を設定し、仕事の計画、指導、統率、評価などに役立てる時に行います。

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