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» 2014年06月12日 12時13分 公開

ロボット開発の分業化・効率化を目指す:ソフトバンクのロボット事業、本命は「Pepper」ではなく「V-Sido OS」か!? (2/4)

[八木沢篤,MONOist]

V-Sido OSの魅力を伝えるコンセプトロボ「ASRA C1」初披露!

 そして、今回の記者説明会で初披露されたのが、等身大のデモ用コンセプトロボット「ASRA C1」である。ソフトバンクが発表したPepperとは異なり、2足歩行のヒューマノイドロボットだ。

 このロボットは、Pepperのように販売目的のロボットではなく、V-Sido OSの検証・デモ用として作られたもので、「採用を検討している企業などに、V-Sido OSの動きを実際に見てもらう際に利用する」(吉崎氏)とのこと。


ASRA C1 コンセプトロボ「ASRA C1」 ※画像クリックで拡大表示

 ASRA C1は、「人とつなぐ」「離れた場所をつなぐ」「(クラウドなどの)情報につなぐ」の3つの「つなぐ」をコンセプトに、アールティの人型ロボット「RIC90」をベースに開発したものだという(内部のフレームはRIC90で外装が特注)。

 2脚4腕のヒューマノイド型ロボットで、身長約1.2m、重量約13.5kg。動力はサーボモータで、自由度は35(頭部3、胴部2、手腕部6×2、副腕部4×2、脚部5×2)。制御はもちろんV-Sido OSが担う。

 面白いのが両脇部分に格納されている2本の補助アームの存在だ。「4本の腕で作業させることもできるし、2本の補助アームを後ろに回して、メインの両腕を制御する入力インタフェースとしても利用できる」(吉崎氏)という。



 ASRA C1は、V-Sido OSのさまざまな特徴を体現できるロボットだ。例えば、立ち上がる動作1つとってみても、スイッチオンで1人で勝手に立ち上がるのではなく、手を引いてゆっくりと立ち上がるといった“人の動きを主導にした自然な動作”が可能だ。また、モータを固く制御していないため、押されてもフワッと衝撃を吸収して瞬時にバランスを取ってくれる。

 さらに、驚きなのが振動安定化だ。何と台車の上にASRA C1を載せてグラグラと揺らしても倒れることなくバランスを保つことができるのだ。人間でもよろけてしまう状況で、これだけ姿勢を保持できるのはスゴイの一言。「V-Sido OSであれば、外からゆっくりと押され続ける、強い衝撃が加わる、床自体が揺れるといった全ての“揺れ”に対応できる」と吉崎氏。



KinectやHMDでもロボットを制御できる

 さまざまなインタフェースで操縦できるのもV-Sido OSの特徴の1つだ。例えば、ジョイスティックのような傾きしか伝えられないようなものでも、ASRA C1の全身の動きを生成して動かすことができる。また、「Kinect」のようなモーションセンサーデバイスで人間の動きを捉えて、ASRA C1を動かすことも可能だ。「V-Sido OSであれば、人間とロボットの大きさ、形状、バランスの違いを全て考慮した上で、人間の動きを簡単にロボットに伝えることができる」と吉崎氏は説明する。


 また、ヘッドトラッキングの機能が備わったヘッドマウントディスプレイによるデモも紹介。ASRA C1の視野をヘッドマウントディスプレイに表示し、人間の頭の傾きや向きをASRA C1の頭部と同期させるというものだ。これはヘッドマウントディスプレイ側にV-Sido CONNECT(ジャイロセンサーを搭載)をつなげてあり、ロボットとの通信を確立しているそうだ。ちなみに、「『Oculus Rift』とソニーのヘッドマウントディスプレイで動作確認済みだ」(吉崎氏)という。


 この他、V-Sido OS単体の機能ではないが、WindowsやAndroidといった一般的なコンピュータOSの機能をうまく組み合わせることで、発話やクラウドサービス連携といったことも可能となる。「また最近の例では、iOS 7のiBeaconを利用して、ロボットが持つiPhoneが着信したらロボット自身が電話に出るといったデモプログラムを開発した。この勝手に電話に出るロボット(のプログラム)を作るのに要した時間は、およそ1〜2時間程度だ」と吉崎氏は語る。


参考:ASRA C1を写真で見てみよう

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RIC90 ASRA C1のベースとなったアールティの人型ロボット「RIC90」(提供:アールティ

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