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» 2014年07月07日 09時00分 公開

実践! IE:磐石モノづくりの革新的原価低減手法(3):革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”〔後編〕 (2/5)

[福田 祐二/MIC綜合事務所所長,MONOist]

「標準時間」の考え方

 はじめに「標準時間」について、基本的なことを少し説明しておきたいと思います。標準時間とは『標準の熟練度を持った作業者が、一定の作業条件下で標準作業に基づいて、普通の疲労度を伴った作業速度で、1単位の仕事量を完了させるために必要な所要時間のことで、その作業に要する適切な余裕時間を加えたものである』と定義されています。図1に、実働時間における標準時間の構成を記述しておきましたが、個々の用語の説明は割愛させて頂きます。

実働時間における標準時間の構成 図1:実働時間における標準時間の構成(クリックで拡大)

 標準時間の指標となる作業速度は「平たんな道で荷物を持たずに時速約5kmで歩く速度」や「52枚のトランプを1辺が45cmの正方形の四隅に25秒で配り終える手の速度」などの例で説明されます。

標準時間の測定方法

 標準時間を設定するための作業測定の方法には「SW(Stop Watch)法」「WF(Work Factor)法」「RWF(Ready Work Factor)法」「MTM(Method Time Measurement)法」「標準資料法」「WS(Work Sampling)法」などのさまざまな手法があります。これらの中で、要求される精度に合わせて最適な測定手法を選択します。

 各手法において、標準時間を設定するには、専門知識と訓練を必要とします。現在、標準時間を運用していない企業は、取りあえずの基準時間を設定し、それを基に精度を上げていく運用方法が適しています。標準時間の設定の際、多用されている「標準資料法」については後ほど解説します。作業標準書も標準時間も日常の企業活動で活用しなければ、設定してもすぐに死文化してしまいますので、活用する意識が最も重要になるでしょう。

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