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» 2016年09月30日 10時00分 公開

設計者の新しいワークスタイルを探れ!(0):設計者も喫茶店でノマドする時代、来る? 場所にしばられない仕事を実現する技術 (3/4)

[小原照記/いわてデジタルエンジニア育成センター,MONOist]

 またデータを出張用のノートPCへコピーして持ち運ぶというセキュリティのリスクも解消されているとのことでした。ただ管理が大変のようで、ソフトのバージョンアップを数十台するというのはとても労力がいるようです。

 VDI方式についてはデモ機を借りて検証しているとのことで、新規で仮想CADマシンを作成する準備も、ものの5分でできるし、バージョンアップもバッチで全環境へ当てることができるので運用管理が楽ということでした。ただ、現状のVDIのコストだと費用対効果を定量的に出すのが難しいそうで、今のところは無償で利用できるRGSを利用しているということでした。管理する側の苦労はありますが、○社の設計者さんはRGSにとても助けられているようです。

 また技術者派遣をしているアルプス技研では、富士通のソフト「RVEC」を使用して、全国の技術者(社員)が自宅で3D CADを勉強できる環境を整えています。技術者は事前に予約を入れておき、予約時間になったらRVECに接続して自宅で3D CADのスキルアップを図っています。自宅のPCでも3D CADが使えるとなると、子育てをしているママさんや介護などの理由で家を出ることができない人たちも設計の仕事ができるということです。在宅勤務の仕事の中に3D CADでの設計の仕事も増えてくるかもしれません。

 リモートだとレスポンスが気になるという方もいるかもしれませんが、使用している企業の皆さんに話を聞く限りでは、通常操作しているPCと変わらないということです。私も3年程前にRVECを使用したことがあるのですが、富士通製品である「iCAD/SX」や「VPS」「GP4」など、違和感なく操作できました。インターネットに接続できる環境があれば、こういったリモート機能を活用するのは非常に便利だと思いますし、新しい働き方のための有効なツールになりますね。

PCの重さよりも重い機密データの管理、クラウドサービスの利用

 クラウドサービスは、既に活用されている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ネットワークを通じてデータ管理ができるため、データを持ち歩く必要がありませんよね。先ほどは、重いノートPCを持ち運ぶことについて注目しましたが、それ以上に機密情報が入ったデータを持ち歩くということの方が実際の重さよりも“責任の重さ”が大きいのではないでしょうか。

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 例えば、「出張時に会社のPCをどこかに置き忘れてなくしてしまった」という場合、「数十万円のPCを紛失した」ということよりも、「その中に入っていたデータを紛失した」ことの方が責任を問われるのではないでしょうか。PCではなく、データが入ったUSBメモリをなくした場合も同様ですよね。そういったデータを持ち歩くことを考えたときにクラウドサービスは非常に便利なサービスです。データを持ち歩かなくても、データを開きたいときにクラウドに接続して開けばよいのですから。

 また3D CADのデータは大容量になることが多く、メールに添付してのやりとりが難しいことが多いです。相手先とどうやってデータをやりとりするかお困りの企業さんも多いのではないでしょうか。私も仕事柄、さまざまな企業さんとデータをやりとりするのですが、大容量データであることがネックになるときがあります。そんな時にも、クラウドサービスを利用して、データをやりとりしたい人とフォルダ共有したり、ダウンロードリンクのURLをメールで送ったりことで、大容量のデータもやりとりできてとても便利です。

 クラウドを利用することで離れた人との仕事の連携を実現させ、チーム設計も可能になります。先ほどの在宅勤務にも通じますし、テレワークといった遠く離れた人とも一緒のプロジェクトの仕事をすることができます。これからは地方にいても都会の人たちや世界中の人たちとデータを共有して仕事ができます。どこにいても誰かと連携しながら仕事ができる時代になってきています。

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