「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

1日100万回の配車を想定、ジャガーがウェイモに供給する自動運転EVモビリティサービス

Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)とWaymo(ウェイモ)は、長期的な戦略的パートナーシップを締結した。

» 2018年04月17日 06時00分 公開
[長町基MONOist]
Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)とWaymo(ウェイモ)は自動運転機能を備えたプレミアムセグメントの電気自動車(EV)を共同で設計、開発する(クリックして拡大) 出典:ジャガー・ランドローバー

 Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)とWaymo(ウェイモ)は2018年3月27日(現地時間)、長期的な戦略的パートナーシップを締結したと発表した。今後、両社は自動運転機能を備えたプレミアムセグメントの電気自動車(EV)を共同で設計、開発する。

 ジャガー・ランドローバーはウェイモとのパートナーシップにより、2018年後半には自動運転技術を搭載したSUVタイプのEV「I-PACE」のテスト走行を開始する。この公道試験と実環境のテストによって収集されたデータを活用し、両社はテクノロジーの向上と安全性や信頼性の実現を目指す。最初の2年間で最大2万台のI-PACEを製造し、2020年からはウェイモのドライバーレス・サービスの車両として、1日100万回の配車サービス運用を想定している。

 I-PACEは、2018年3月1日に発表した電気自動車のSUVモデル。ジャガー・ランドローバーは、自動運転やコネクティビティ、電動化のリーディング・カンパニーになるという目標に向け、I-PACEの開発に積極的な投資を行っている。

 ウェイモの前身は、Google(グーグル)のセルフドライビングカー・プロジェクトだ。「運転席にドライバーがいない状態で公道走行が可能な自動運転車両を有する唯一の企業」(ウェイモ)だという。2018年後半から、会員向けにアプリで送迎車両をリクエストできる自動運転車の配車サービスを開始する計画だ。

自動運転技術を搭載したSUVタイプのEV「I-PACE」(クリックして拡大) 出典:ジャガー・ランドローバー
2020年からウェイモのサービス車両として運用される(クリックして拡大) 出典:ジャガー・ランドローバー

 ジャガー・ランドローバー CEOのRalf Speth(ラルフ・スペッツ)氏は「I-PACEは、世界中の人々が思い描いていたものを具現化した最先端のモデルであると自負している。スマートモビリティをさらに前進させたいという当社の思いを実現するには、知識と経験に長けた相手と長期的なパートナーシップを組むことが必要だ。ウェイモとともに、テクノロジーの限界を切り開き、顧客が望むGrace(優雅さ)、Space(広さ)そしてEco-pace(エコな速さ)を兼ね備えた自動運転のI-PACEを提供する」とコメントした。

 また、ウェイモ CEOのJohn Krafcik(ジョン・クラフチック)氏は「当社は世界で最も熟練した“ドライバー”(自動運転車両)の開発に注力しており、ジャガー・ランドローバーは、安全性、デザイン、性能において新たなスタンダードとなるような、全く新しい電気自動車のプラットフォームを開発している。両社が協力し合うことで、ウェイモの顧客に、自動運転のI-PACEがもたらす安全性とプレミアムな体験を提供できると確信している」と述べている。

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