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» 2018年10月31日 10時00分 公開

簡単IoT:社会インフラで培った強みをデジタル変革の支援に使う、東芝が進む新たな道のり

東芝デジタルソリューションズは長年にわたり培ってきた社会インフラなどの事業領域における遠隔監視や保守の知見を強みとし、インダストリー領域でのデジタルトランスフォーメーションを支援する方針を示す。

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 東芝グループは事業再編の動きの中で、社会インフラ、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの4つの事業に集約。東芝デジタルソリューションズはこの中でシステムインテグレーション(SI)やITソリューションを担い、インフラ、エネルギーなどのインフラ系事業をデジタル技術で支える役割を担う。「デジタル技術でビジネスを変革し続ける(Change)」「オープンイノベーションで価値を共創し続ける(Create)」「世界中から信頼されるパートナーであり続ける(Trust)」という3つのビジョンを掲げ、特にIoT(モノのインターネット)ソリューションを中心事業の1つとして強化する。

photo 東芝デジタルソリューションズ インダストリアルソリューション事業部 デジタルトランスフォーメーション推進部 参事の深澤滋氏

 IoTソリューションの基盤となるのが、東芝独自のIoTアーキテクチャー「SPINEX(スパインエックス)」である。同社 インダストリアルソリューション事業部 デジタルトランスフォーメーション推進部 参事の深澤滋氏は、「東芝グループが長年にわたり培ってきた電子デバイスから社会インフラに至る幅広い製品や事業ドメインの知見をもとに、AIをはじめとするICT(情報通信技術)の先進技術を結集したIoTアーキテクチャーです」と説明する。

 この「SPINEX」を基軸とし、現場から集まるビッグデータの「見える化」と「最適化」を実現。さらに「自動化」「自律化」を目指すことで、さまざまな産業領域の顧客と共にデジタルトランスフォーメーションを進めていく。

photo 東芝のIoTアーキテクチャー「SPINEX」(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

 ただ、全体像は描けても、多くの製造業やインフラ関係企業にとってIoTは「どこから取り組めばよいのか分からない」とする企業が多いのも事実である。そこで東芝では、「見える化」から始まるデジタルトランスフォーメーションのステップに対し、多くの企業がより容易に取り組みを始められるように2018年8月に「IoTスタンダードパック」の提供を開始した。

Microsoft Azureを基盤としてIoTスタンダードパックを刷新

 「IoTスタンダードパック」の基本的な部分は、「IoTオールインワンパッケージ」として、既に2016年から提供されているものである。しかし「IoTに対するニーズは当初想定していた以上に企業によって多種多様で、結局は個別対応のSIを提供するしか要件を満たす方法はありませんでした。この形ではより多くの顧客に試してもらうという本来の目的を満たすことはできなかったのが実情です」と深澤氏は振り返る。

 そこで、新たに2018年8月にマイクロソフトと提携を発表。マイクロソフトのクラウドプラットフォームである「Microsoft Azure」を基盤とし、より簡単にIoT活用を実現できるようにした。

 基盤を刷新した「IoTスタンダードパック」は、本格的なクラウド活用によって、IoTプロジェクトのスモールスタートを実現しつつ、容易に規模を拡張していけるスケーラビリティを確保できる。さらに、企業ごとの要件に対応したアドオンアプリケーション開発やMicrosoft Azure上のさまざまなPaaSやSaaS機能との連携を可能とする。また、必要な機能やサービスのみを柔軟に選択し、利用できるように商品メニュー構成を見直すことで、従来のオールインワンパッケージから大幅に利便性を高めている。

 具体的にはIoTスタンダードパックは、産業機器・設備の稼働プロセスの状態を遠隔から監視できるようにする「プロセスフロー機能」、エッジソフトウェアの「自動配布・バックアップ機能」、企業ごとのデバイスに合わせたクラウド/エッジアプリケーションの「開発サービス」、企業自身でのアプリケーション開発を可能とする「開発支援ツール」、利用条件を事前に検証する「検証サービス」などを提供。企業の多様なIoTシステムの要件に柔軟に対応し、運転業務や保全業務の効率化、省人化を実現する。

photo IoTスタンダードパックの特長(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

インフラ関連産業のIoT化を加速へ

 東芝デジタルソリューションズは、このIoTスタンダードパックをB2B2Bのビジネスモデルで展開する考えだ。

 「昨今、多くの機械メーカーは、自社が納入した装置や付帯設備が顧客の現場で正常に稼働しているかどうかを監視し、予防保守や運用を請け負うサービスビジネスへの転換を加速させています。また、リモートから保守や運用を行う事業を専門とするサービスプロバイダーも登場してきました。そうした機械メーカーやサービスプロバイダーと共にデジタルトランスフォーメーションを推進したいと考えています。私たちのIoTスタンダードパックは、その価値創造を担う最初の一歩という位置付けになります」と深澤氏は語る。

 東芝グループの強みについて深澤氏は「東芝グループが長年にわたり培ってきた産業機械分野のシステム構築実績、社会インフラに関する遠隔監視、保守の知見およびデータモデルなどは独自の強みだといえます」と述べる。これらの強みに対し、Microsoft Azureに実装された「デバイス接続(Azure IoT Hub、Azure IoT SDKなど)」「データの蓄積(Azure SQL Database、Azure Storageなど)」を活用することにより、運用コストの低減・スケーラビリティ性の向上につなげている。さらに「先進的なアナリティクス(Azure Machine Learningなど)」「ビジネス生産性向上・プロセス変革(Microsoft Power BI、Microsoft Dynamics 365など)」といったソリューションと連携させることで、より簡単に拡張性を持って価値を実現することができるというわけである。

photo マイクロソフトがAzureを中心に抱える幅広いポートフォリオ。これに産業機械の知見を組み合わせることで、インフラのIoT化やデジタル変革を加速させる(クリックで拡大)出典:マイクロソフト

 実際のIoTスタンダードパックの使い勝手を見てみよう。

 まずは「デバイス稼働状態・履歴表示(見える化)」だが、さまざまな現場で稼働している監視対象の装置や付帯設備からエッジゲートウェイ経由で収集したセンサーデータやアラーム情報を、シンボルやグラフなどでグラフィカルに表示できる。例えば、地図画面やエリアごとのリスト表示から任意の装置や付帯設備を選択し、稼働の実績値や状態変化などの詳細情報にドリルダウンすることができる。

photo デバイス稼働状態・履歴表示のサービスイメージ(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

 なお、この表示内容は標準提供されるエンジニアリングツールによって、自由に設定・変更することも可能だ。特に注目すべきはプロセスフロー画面である。各装置の稼働状態やセンサー値を、グラフィカルなシンボルを使って表示する。このフロー図を、ユーザーはプログラムレスで容易に作成したり修正したりすることができる。

photo プロセスソリューションを明確に示すプロセスフロー図なども用意(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

 また、「保全状態・履歴表示」の機能は、各装置や付帯設備から収集した保全管理の情報をAI(人工知能)で分析し、その結果を「保守カルテ」として表示する。

2年前から実績を重ねてきたIoTスタンダードパックの成功事例

 先述したように東芝デジタルソリューションズのIoTスタンダードパックそのものは2年前から提供してきたもので、既に実績があるものも多い。その中から代表的な事例をいくつか紹介しておきたい。

 ある産業機械メーカーは、圧縮機の海外保守サービスを強化するためIoTスタンダードパックを導入した。見える化(遠隔監視)による装置の安定稼働、メーカー側での稼働情報の正確な把握、稼働情報に基づいたタイムリーな保守、劣化機種の買い替え提案といった付加価値を提供。保守パーツビジネスの拡大を図ると共に買い替え需要(リニューアル)に結び付けることに成功したという。さらにIoT Readyの戦略的な製品展開により、海外代理店との独自の「保守サービス連携モデル」を確立できたとする。

photo 産業機械メーカーの保守サービスの例(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

 また、ある工作機械メーカーでは、海外拠点や国内拠点などさまざまな拠点で展開される自社機械の稼働状況を把握するためにIoTスタンダードパックを導入。稼働情報を詳細に取得しログ解析を行うことで、作業の品質を分析するとともに予兆保全を実現する取り組みを進めているという。

photo 工作機械メーカーの海外保守対応の例(クリックで拡大)出典:東芝デジタルソリューションズ

 小規模な太陽光発電や蓄電池を束ねて1つの仮想的な発電所として機能させる、「バーチャルパワープラント(仮想発電所)」の実証実験もIoTスタンダードパック導入事例の1つだ。十数か所に設置された蓄電池の充電状態などをクラウド上に収集し、ダッシュボード画面に分かりやすく見える化して障害の発生を監視する基盤としてIoTスタンダードパックを活用。蓄電池群制御システムにおける電力需要の調整(デマンドレスポンス)の実現に貢献した。

 これらのように従来のIoTスタンダードパックでもIoTシステムの成功導入事例が数多く存在する。これをさらにMicrosoft Azureを基盤とすることで加速させるというのが今後の狙いだ。「Microsoft Azureを基盤としたIoTスタンダードパックのリリースにより、ユーザーにとってはより多くの機能を簡単に活用できるようになります。さらにグローバル対応や、今後プロジェクトが本格化し拡張する際も容易となる利点があります。従来対応しきれなかった案件にも対応できるようになり、結果として案件数も大きく増えるでしょう」と深澤氏は今後の見込みについて語っている。

IoTを利用したビジネス創出まで踏み込んだ提案を

 さらに、東芝デジタルソリューションズが見据えているのが、「成果共創型」の新たなビジネス拡大である。2018年4月には、その推進母体として東芝デジタル&コンサルティングを設立。マイクロソフトをはじめとするパートナーと連携しつつ、コンサルティングから価値創造の確認まで一貫したサービスを展開する。

 これを受けてマイクロソフトは、Microsoft Azure上への迅速なアプリケーションの実装・開発を実現すべく、東芝デジタルソリューションズおよび東芝デジタル&コンサルティングに対して、Microsoft Azureの専任エンジニアの育成支援・開発の技術支援を行う。既に延べ300人を超える技術者に対して関連トレーニングを実施済みだ。さらにマイクロソフトの法人営業部門が連携し、さまざまな業種・業態に特化した付加価値を提案するための販売支援を行っていくという。

 こうして開発された多彩なIoTソリューションは、東芝デジタルソリューションズの顧客のみならず、マイクロソフトの幅広い顧客に向けても提供されていくことになる。

 「もはや現在のIoTソリューションは、各装置や機器から集めたデータを単にクラウド上で見える化するだけでは差別化することができません。IoTを利用することでどんなサービス、どんなビジネスを展開することが可能となるのか。そこまで踏み込んだ提案と支援を行うことが、私たちのスタンスです」と深澤氏は語る。

 東芝デジタルソリューションズと東芝デジタル&コンサルティング、マイクロソフトの3社は今後に向けてパートナーシップをさらに深めていき「食品・消費財業界向けCRMソリューション」や「eラーニングソリューション」をはじめ、各種ソリューションのMicrosoft Azure上での開発・実装・販売を拡大しつつ、インダストリー領域における多くの企業と共にデジタルトランスフォーメーションを推進する考えだ。

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IoTによる見える化で既存事業に付加価値を、ビジネス形態に合ったIoT導入術

IoTの利点が生きる分野の1つが遠隔監視・保守だ。既存の製品やサービスと組み合わせることで、安定性の強化やタイムリーな提案など、新たなビジネスチャンスを生み出せる。そこで、ビジネスに合わせた導入が容易なIoTサービスを紹介する。


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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2018年11月30日

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IoTの利点が生きる分野の1つが遠隔監視・保守だ。既存の製品やサービスと組み合わせることで、安定性の強化やタイムリーな提案など、新たなビジネスチャンスを生み出せる。そこで、ビジネスに合わせた導入が容易なIoTサービスを紹介する。