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» 2019年09月17日 09時30分 公開

モノづくり業界転職トレンド(12):U・Iターンの転職を成功させるコツ (1/2)

常に一定のニーズがあるU・Iターン転職。特にUターン転職は、親の介護や子育てサポートなどで近年は微増の傾向だ。U・Iターン転職の現状、コツや注意点などについて転職コンサルタントに話を聞いた。

[杉本恭子,MONOist]

 U・Iターン転職は、常に一定のニーズはあるものの、大きく変動することはない。ただ、近年は親の介護が必要になるケースが増えていることから、特にUターン転職は微増の傾向にある。そこで今回は、U・Iターン転職の現状、コツや注意点などについて、自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー 関寺庸平氏に聞いた。

photo クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャーの関寺庸平氏

動機のトップは親の介護

 Uターン転職に踏み切る動機は何か。クイックが相談を受ける中で最も多い動機は、両親など高齢になった家族の世話や介護だ。2番目に多いのは、結婚して子供が生まれ、両親に子育てをサポートしてもらうために、同居や近居をしたいという動機だという。この2つは「転職せざるを得ない」動機といえるだろう。

 3番目は若い方に多い動機で、友達や生活基盤のある地元に戻りたいというもの。同社では、こういうホームシック気味の方には、今すぐ転職する場合の可能性、もう少し現状でがんばってからの可能性の両方について話をして、もう一度しっかり考えてもらうという。Iターン転職の場合は、「都心で働くことに疲れた」などの理由で、結果的にIターンを選択するケースが多い。

地方の求人は少ないが…

 では、製造業のU・Iターン転職、つまり地方への転職はしやすいのだろうか。IT業界の場合は、ネット環境とパソコンがあれば、オフィス所在地の自由度は比較的高いが、モノを作る製造業は事情が違う。「地方の製造業の求人数は、都心と比べて圧倒的に少ないのが実情」と関寺氏は明かす。

 しかし同時に転職希望者が少ないのも事実で、職種や業種を限定しなければ、競争率は低いともいえる。またソフトウェアやネットワーク系のエンジニアに関しては、製造業でもニーズが高まっているため、希望の勤務地にある工場内にソフトウェアエンジニアの場所を確保してくれるとか、転勤は実質なしにしてくれるなど、柔軟に対応してでも、優秀な人材を確保しようという企業側の動きも見られ始めている。

 比較的求人が多いエリアは、総じて大手メーカーの拠点周辺。自動車業界ならば、完成車メーカーのある関東周辺、愛知・中京エリア周辺、その他、各社の地方工場のある周辺エリアということになる。逆に、大手メーカーの拠点がないエリアは、なおさら難しいといえる。

 地方の中小企業という選択肢もあるが、あまり情報が流通していないことが多い。現地のエージェントやハローワークにアクセスするなどして、情報を入手する必要がありそうだ。

 ただし中小企業に転職する場合は、年収が下がると考えておくべきだろう。1人に対して与えられる役割が多いので、仕事の範囲が広くなる可能性も高い。こういう変化をどう考えるかはそれぞれだが、生活費は都心ほどかからないし、新しいことにチャレンジできるチャンスでもあるので、これまでとは異なる仕事の仕方、暮らしを楽しめる方にはお勧めかもしれない。

 実際、地方への転職活動を始めると、今の自宅から離れた場所での面接はなかなか大変だ。しかしWebビデオ通話や電話で面接をしたり、複数回の面接をまとめてくれたりと、柔軟に対応してくれるケースが多い。ある程度地方の採用枠を持っている大手企業などは、東京で選考会を開くこともある。地方で働く人材を確保するために、企業側もさまざまな工夫をする時代になってきているようだ。

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