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» 2020年02月04日 07時30分 公開

オートモーティブワールド2020:自動運転車向けLiDARの開発が過熱、新方式の提案が続々と (1/2)

レベル4以上の自動運転システムにおいて重要だとされるLiDAR。本稿では「オートモーティブワールド2020」に出展したLiDARメーカーの最新技術を紹介する。

[池谷翼,MONOist]

 自動運転車に欠かせないセンシング技術。悪天候や夜間でも確実に周辺環境を認識するには、さまざまな検知方式のセンサーを組み合わせることが定石だ。その中で、ドライバーが関与しないレベル4以上の自動運転システムにおいて重要だとされるのがLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)だ。可動部品をなくして信頼性を高め、小型化を図るのが各社のLiDAR開発に共通するトレンドだが、併せて求められる物体の検出精度向上に向けてはさまざまなアプローチがある。

 そこで、本稿では「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で出展された最新のLiDAR製品について紹介する。

MEMSミラーも使わない「完全な」ソリッドステート型

 東陽テクニカのブースでは、同社が「True-Solid-State(完全なソリッドステート)型」と位置付ける、可動部分や回転機構を一切持たないLiDAR、「XenoLidar」の評価機が展示されていた。同社が代理店契約を結ぶベルギーのXenomatiX(ゼノマティクス)とマレリ(Marelli)が共同で技術開発に取り組んでいる製品だ。

「XenoLidar」の試験機[クリックで拡大] 「XenoLidar」の試験機[クリックで拡大]

 ソリッドステート型をうたうLiDARは多いが、実際には、MEMSミラーなど可動部分を有した部品が少なからず組み込まれている。一方で、XenoLidarの場合は、「MEMSミラーすら組み込まない、『完全なソリッドステート型』」(説明員)を実現している。可動部分を一切無くすことで、機器本体の低価格化を図りやすくなり、数百万台を量産する場合、LiDARのモジュール一式を約500〜1000ユーロ(約6万〜12万円)で提供可能になるという。なお、MEMSミラーを使わないため、レーザー照射の方式には、数千本のレーザーを同時に照射して周囲の3Dマッピング化を行うマルチビーム方式を採用している。

「XenoLidar」の公道での実測例[クリックで拡大] 「XenoLidar」の公道での実測例[クリックで拡大]

 「回転するタイプのLidarは、あくまで研究開発用のものだと考えている。量産化まで考慮すると、LiDAR本体をいかに小型化できるか、低価格化を達成できるかが大きな課題となり、そのためにはXenoLidarのように可動部分を減らす設計が求められるだろう」(説明員)。今後の技術開発の目標としては、マレリが買収したAI知覚開発を手掛けるフランスのスタートアップ、Smart Me Upの技術を用いて、測定範囲内の対象物に「人」「自動車」などと自動的にタグ付けを行う、オブジェクトトラッキング機能を強化していく予定だという。具体的な販売時期は不明だが、2022〜2023年をめどに量産化を目指す計画だ。

カメラとLiDARを組み合わせ、対象物を高精度で認識

 人工知覚技術開発を手掛ける米国のスタートアップAEyeは、AIを搭載したソリッドステート型LiDARシステム「AE-110」を展示した。

AEyeの開発した「AE-110」[クリックで拡大] AEyeの開発した「AE-110」[クリックで拡大]

 機器に組み込まれた低照度HDカメラと、センサー部分に搭載されたAIの組みあわせによるROI(Region Of Interest)の自動定義機能を特徴とする。通常、LiDARは対象物の検出をレーザー光のみで行うため、空間の奥行きは測距可能だが、対象物の色彩や輪郭といった情報までは得られない。このため、「歩行者が自動車の前を横切った場合、どこまでが歩行者でどこまでが自動車かが判別しにくい」(説明員)という課題があった。

 一方、AE-110はカメラが撮影したカラー映像を、LiDARの検出した点群データにリアルタイムで統合することが可能だ。この統合されたデータから、「歩行者」「自動車」といった重要性の高い対象物が映像内に占める領域(ROI)をAIが自動抽出する。これらの領域にLiDARのレーザー光を集中的に照射することで、従来のLiDARよりも、物体をより正確に認識することができるという。また、統合されたデータからは、対象物の向きや角度、動作方向といった情報もリアルタイムで検出し、「それらのデータをもとに、対象物の動作予測なども可能になる」(説明員)という。

統合したデータから対象物の動作予測も行える[クリックで拡大] 統合したデータから対象物の動作予測も行える[クリックで拡大]
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