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» 2020年02月21日 06時00分 公開

「ChaoJi(チャオジ)」は超急速充電の世界統一規格となるのか和田憲一郎の電動化新時代!(36)(3/4 ページ)

[和田憲一郎(日本電動化研究所 代表取締役),MONOist]

ChaoJiの安全性

和田氏 ChaoJiは最大出力900kWとのことであるが、その安全性についてはどうか。

吉田氏 人体への影響などについては、従来のCHAdeMO2.0と同様である。ペースメーカーなどを使用されている方には、これまでと同様に充電中は車両や充電器に近づかないようにしていただく必要がある。

丸田氏 今回のChaoJiでも、EMC規格(電磁両立性)については、CHAdeMO2.0と同じレベルを採用している。また、他の規格ではこれまでもガンの落下で一部が欠けるなどの事例が報告されているが、CHAdeMOでは仕様書に強度要件、試験規格なども盛り込んでおり、ChaoJiにもその方針を反映している。

ChaoJi急速充電器の開発状況

和田氏 ChaoJi急速充電器そのものの開発状況はどうか。

吉田氏 ChaoJi急速充電器は液冷を採用しており、ラジエーターが必要になる。また最高出力が大きいことからキュービクル(高圧受電設備)も必要となり、かなり大型でかつ高価となることが予想される。ただ、急速充電器として設置する場合は、急速充電器本体は設置場所に前出しをし、ラジエーターやキュービクルはバックヤードなど裏側に分離して設置するなど、いろいろな方法が考えられる。また、全てを液冷採用方式とするのか、はたまた価格を抑えるため、最高出力を下げ、液冷なし方式とするなども想定できる。いずれにしても、この対応は各社で検討段階である。

 Chaoji急速充電器は、仕様書の正式発行が2020年末であり、製品の市場投入は最も早い段階で2022年頃と推定される。日本より中国のほうが早いのではないだろうか。なお、まだ車両がない時点で、ChaoJi急速充電器を設置する必要はないと思っている。あくまで車両が先で、ChaoJi急速充電器はあとからが良いと考えている。

車両側の開発状況

和田氏 ChaoJi急速充電器に対応しようとすれば、車両側のインレットや車体設計も異なると思われる。対応した車両の開発や、市場に出てくる時期はどうか。

丸田氏 ChaoJiへの移行は、まずクルマが先行すると想定しており、移行期間に現在のCHAdeMO車両をサポートするためにはCHAdeMO・ChaoJiマルチ充電器で対応することになろう。課題は、ChaoJi急速充電器でフル充電する車両をどうするかである。急速充電器側は液冷を採用しているが、車体側は同様に液冷とするのか、従来通りとするか検討中である。なお、最初に市場投入されるChaoJi対応車両はおそらくバスやトラックとなるであろう。

 車両としての製品化時期は、日本より中国が早く、おそらく2022年前後ではないだろうか。日本ではやや遅れると予想される。必要となるバス、トラックがどのタイミングでChaoJi対応の車両を出すのかは各社判断となる。

世界統一規格への可能性は

和田氏 ChaoJiは日中だけでなく、他陣営も含めた国際統一規格への道を歩むのか。

吉田氏 ChaoJiは日中共同規格であるが、われわれは他陣営ともこの規格に対して会議体を開催している。つまり、日中共同版と、国際会議版と呼んでいる。国際会議版には、欧米のCCS(Combined Charging System)の陣営メンバーも参加している。さらにTesla(テスラ)やGM(General Motors)も加わり、ほぼワールドワイドな陣営となっている。

 世界統一規格となるかは分からないが、少なくとも世界の主要な自動車メーカーや急速充電器メーカーはこれを作る技術力を持つことになる。多くの人達が作れないとダメであり、世界標準化に向けての第一歩と考えている。なお、CHAdeMOと中国のGB/Tは将来ChaoJiとして一本化していくが、そこにCCSも参加してもらうのが望ましいと考えている。しかし、これは相手陣営の都合もあるので、今後どのような規格統一の姿ができるのか、関係者と話し合いを続けていきたい。

 中国ではGB/Tとして法制化されるので、中国内では今後必須となる。これまで中国独自のGB/T式急速充電器を普及させてきたが、中国の充電ステーションは30〜40基の急速充電器が並んでいるところも多く、今後増設される場合は、ChaoJi超急速充電器が設置されていくと思われる。

参加企業(クリックして拡大) 出典:CHAdeMO協議会

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