連載
» 2021年01月06日 11時00分 公開

AUTOSARの最新リリース「R20-11」に盛り込まれた新コンセプト(後編)AUTOSARを使いこなす(18)(1/3 ページ)

車載ソフトウェアを扱う上で既に必要不可欠なものとなっているAUTOSAR。このAUTOSARを「使いこなす」にはどうすればいいのだろうか。連載の第18回では、前回に引き続き、2020年12月に一般公開されたAUTOSARの最新リリース「R20-11」について紹介する。

[櫻井剛,MONOist]

はじめに

 今回も前回に引き続きAUTOSAR R20-11での変更点のご紹介を中心に進めてまいります。

AUTOSAR関連イベントのご紹介

 AUTOSAR R20-11のリリースイベント(2020年12月4日開催)については、前回の掲載では事前にご紹介できませんでした(掲載内容に新規コンセプトなどの情報を含んでおりましたので、R20-11の一般向け公開を待たねばならなかったためです)。もしご覧になれなかった方がおいででしたら、現在、以下のWebサイトで一部動画が公開されていますので、よろしければご覧ください。

⇒AUTOSAR R20-11のリリースイベントのWebサイト

 また、同イベントでは「Virtual AUTOSAR Open Conference 2021(12th AOC)」が2021年3月にリモート開催されることも発表されました。以下のWebサイトでも、概要のみですが告知が掲載されています。

⇒Virtual AUTOSAR Open Conference 2021の告知Webサイト

Adaptive PlatformおよびClassic Platformのアーキテクチャ面の変化

 前回は、AUTOSAR R20-11で導入された16の新規コンセプト(表1)のうちの半分、Concept #1〜8についてご紹介しました。

Concepts FO CP AP 補足 State
1 Vehicle Network State Management(VNSM) x x x 機能拡張 draft
2 Intrusion Detection System Manager(IDSM) x x x 機能拡張 partially validated
3 System Health Monitor(SHM) x - x 機能拡張 draft
4 Ethernet Wakeup On Dataline x x - 機能拡張 draft
5 Classic Platform Flexibility x x - 機能拡張 draft
6 RS Safety x - x 記述改善 draft
7 Rework of PNC related ComM and NM handling x x - 不具合解消 draft
8 Unified Timing and Tracing Approach x x - モデリング改善 draft
9 10BASE-T1S - x x 機能拡張 draft
10 Vehicle Motion Control Interface - x - モデリング改善 draft
11 Integration of IAM - - x 機能拡張 draft
12 Crypto API - - x 機能拡張 draft
13 AD Sensor Interface - - x モデリング改善 draft
14 Deterministic Synchronization - - x 機能拡張 draft
15 Static Configuration of Remote ECU Identity and Access Management(SCREIAM) - - x 機能拡張 draft
16 ara Communication Groups - - x 機能拡張 draft
表1 R20-11の新たなコンセプト一覧(xは影響を受けるプラットフォーム、FO:Foundation、CP:Classic Platform、AP:Adaptive Platform)

 Concept #2の「Intrusion Detection System Manager(IDSM)」が、Adaptive Platform(AP)のFunction Cluster(FC)およびClassic Platform(CP)のBasic Software(BSW)として追加されたことをご紹介しましたが、実はアーキテクチャ面では他にも変更があります。

 APのソフトウェアアーキテクチャ(論理ビュー)での、R19-11からR20-11への変化を図1に示します。

図1 図1 APのソフトウェアアーキテクチャ(論理ビュー)。R19-11(上)とR20-11(下)の比較(クリックで拡大)

 これを見ていただくと、IDSMの他に、Automated Driving Interface - Sensor Interfacesが追加されていることが分かりますが、これについては後でご紹介いたします(Concept #13:AD Sensor Interfaces)。また、Core TypesがAdaptive Coreに改称されています。

 CPでも、2つのBSWが追加されました(表2)。

  • Intrusion Detection System Manager(IdsM)※Concept #2:Intrusion Detection System Manager(IDSM)による
  • Software Cluster Connection(SwCluC)※Concept #5:Classic Platform Flexibilityに必要なメカニズムとして

 また、細かいですが、Complex Driver(CDD)のModule IDの範囲が拡張されています。

表2 表2 BSWの一覧(Module ID順、R4.0.1〜R20-11までに追加/削除されたもの)(クリックで拡大)
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