「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2021年04月10日 08時00分 公開

ステアリングから手を離せる「ハンズオフ」が出そろった!自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

週末ですね。1週間、お疲れさまでした。新しい部署や職場での仕事が始まった方、メンバーの入れ替わりがあって新たな顔ぶれでスタートした方、環境の変化は本人が気付かないうちに疲労につながっていることがありますので、週末はゆっくり休んでくださいね。

[齊藤由希,MONOist]

 週末ですね。1週間、お疲れさまでした。新しい部署や職場での仕事が始まった方、メンバーの入れ替わりがあって新たな顔ぶれでスタートした方、環境の変化は本人が気付かないうちに疲労につながっていることがありますので、週末はゆっくり休んでくださいね。

 今週は自動運転技術に関するニュースが幾つかありました。1つは、ダイナミックマップ基盤が、高精度地図を一般道にも広げるという発表です(関連記事:一般道の自動運転へ、ダイナミックマップ基盤が2024年度に国道や主要地方道をカバー)。

 高精度地図は、センチメートル単位で測量できる「モービルマッピングシステム」という装置を搭載したクルマを走らせて使って作られる“機械のための地図”です。高精度地図があれば、「車線の中央がどこか」「車線がこの先どのようにつながっているか」「信号がどこにあるか」を自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)にあらかじめ教えてあげることができるのです。また、クルマのセンサーが今検知している情報と高精度地図を照合すると、今自分がどこにいるのかを正確に把握できます。

 昨今は画像認識技術の進化が著しく、信号がどこにあって何色か、白線はどこか、道路標識がどこにあるか、路面に何が描かれているかを検出するハードルは決して高くありません。しかし、高精度地図によってセンサーでは検出できないところを先読みできる恩恵は大きいです。

 例えば、日本で初めてハンズオフ対応の運転支援システムを搭載したクルマを発売したのはBMWでしたが、使用できる場面は高速道路での渋滞中に限られていました。その後発売された日産自動車の「スカイライン」では、同一車線であれば渋滞に限らず使用できる「プロパイロット2.0」が採用されました。両者の違いは高精度地図の有無であるのだとか。

 高精度地図さえあれば一般道でもすぐさま高度なADASが実現するわけではありません。高速道路は歩行者や路上駐車がおらず、交差点がないので右左折待ちもなく、対向車線とも隔てられていますが、一般道はもっと複雑な環境です。また、全国の国道や主要地方道の高精度地図が完成した後は、更新し続けるという新たなチャレンジもあります。

 個人的に今回の一般道向け高精度地図のニュースでいいなと思うのは、エリア拡大やメンテナンスに関して明るい材料が既にあるところです。例えば、高精度地図作製のコストは、ダイナミックマップ基盤が買収した北米の地図会社Ushr(アシャー)の技術で大幅に下げられる見込みです。また、トヨタグループではドライブレコーダーの映像や衛星画像を使って一般道の高精度地図生成に成功しています。

 モービルマッピングシステムを手掛ける三菱電機では、簡易版のモービルマッピングシステムをトラックやバスに搭載できないかというアイデアも出ています。1日であちこちを走るトラックやバスに搭載すれば、たくさんのデータを集められるという狙いです。このように実現を後押しする複数の提案が既に国内にあるのは、いいことだなと思います。あとはダイナミックマップ基盤がうまく取りまとめられるかどうかです。

最後発だがホンダに追いつくポテンシャルを持ったトヨタ

 もう1つの自動運転技術に関するニュースは、トヨタ自動車の高度運転支援技術の新機能「Advanced Drive」です(関連記事:トヨタが重視したのは「レベル3到達」よりも「安心できるハンズオフ」)。

 これで、トヨタ、日産、ホンダのハンズオフ対応のシステムが出そろったことになります。SUBARU(スバル)からもハンズオフ対応の「アイサイトX」が出ています。ホンダは、ドライバーがステアリングから手を離せるだけでなく、周辺を常時監視する必要のないレベル3の自動運転を製品化しました。今回のトヨタの発表は「世界初」や「日本初」の内容はなく、最後発での製品化です。

 ただ、トヨタのAdvanced Driveがホンダのレベル3の自動運転に完敗だとは思えません。トヨタはソフトウェアアップデートによってAdvanced Driveの性能向上や機能追加を図ることを前提に開発しました。Advanced Driveで使用するECU(電子制御ユニット)などのハードウェアも、将来の機能追加に備えた余裕を持たせています。Advanced Driveの開発に携わったデンソーによれば「レベル3の自動運転に対応できるだけの余裕を持たせている」とのこと。レベル3の自動運転に対応したソフトウェアを製品化し、配信するかどうかはトヨタの判断次第ですが、Advanced Driveはホンダを追い上げる伸びしろを持った製品ではあるわけです。

 こればかりは乗ってみないと分かりませんが、レベル3の自動運転、つまり周辺監視から解放されることのうれしさがいかほどかというポイントもあります。現時点では、レベル3の自動運転は高速道路の渋滞時のみを対象としています。これは2021年後半からレベル3の自動運転に対応するメルセデスベンツ「Sクラス」も同様です。ホンダのレベル3の自動運転システム「ホンダセンシングエリート」は、渋滞中などで自車が時速30km以下のときでなければ作動できません。また、自車の速度が時速50kmを超えると解除されます。

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