5G 人からモノへ 〜「未踏の時代」迎えた無線技術 特集

NTTと富士通が光電融合デバイスの開発で提携「IOWN構想でゲームチェンジ」組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

» 2021年04月27日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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Beyond 5Gや6Gの基地局向けに光電融合デバイスの導入を検討

 「通信技術のオープン化の推進」は、IOWN構想の核となる光通信と、モバイル向けの次世代通信技術であるBeyond 5Gや6Gでのオープン化を推進する。NTTと富士通は、通信機器市場における特定ベンダーに依存する垂直統合モデルからの脱却に向けてオープン化を推進してきたが、これをさらに拡大する。

 光通信では、両社がアーキテクチャのオープン化を前提とした、新たな光デバイスの企画から、システム製品の開発、サプライチェーンマネジメントまでを共同で行う。その上で、今後の需要拡大が見込まれ、オープンアーキテクチャの採用が活性化しているデータセンター向けの通信市場へ戦略的に参入し、グローバルでの事業拡大を目指す。

 モバイルでは、Beyond 5Gや6Gに向けたモバイルシステムのオープン化に向けて、両社の技術開発やオープン化活動ならびに開発成果の事業展開を検討していく。まずは、NTTドコモを中心に発足した「5GオープンRANエコシステム」などを通じて、さまざまなパートナーとともにグローバルに展開可能な技術などの開発を行う。両社の連携によって開発された機器は、5GオープンRANエコシステムなどを通じて、グローバルに通信事業者への展開を図っていく。

 光通信とモバイルを組み合わせた具体的な取り組みの一例としては、Beyond 5Gや6Gで必要になる、より小型で省電力、高性能な基地局を実現するために、基地局装置の無線ユニット部への光電融合デバイスの導入を検討しているという。

光電融合技術の基地局への適用 光電融合技術の基地局への適用(クリックで拡大) 出典:NTT、富士通

 「低消費電力型・高性能コンピューティング実現に向けた共同研究開発」では、高速化や省電力化に課題のある従来のコンピューティングアーキテクチャを抜本的に見直し、使用用途に応じて多様なハードウェアをソフトウェアで柔軟に組み合わせて活用することで、高速かつ高効率なデータ処理を行う「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」の実現に向けた研究開発に取り組む。

ディスアグリゲーテッドコンピューティング 電気技術をベースとする従来のコンピューティングアーキテクチャから、光接続の活用拡大によって「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」を実現する(クリックで拡大) 出典:NTT、富士通

 具体的には、NTTが研究開発中の光電融合技術と、富岳などにも活用されたている富士通の先端コンピューティング技術を組み合わせ、リアルワールドの多種多様なデータを安全に結び付けて、さまざまなパートナーが価値を創出するサービスを効率よくスピーディーに実現できるだけでなく、電力効率の最大化も目指す。

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