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» 2021年05月29日 10時00分 公開

「人テク展」がオンラインで開幕、バーチャルだからこその発見もあるかも自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

5月が終わります! 1週間、お疲れさまでした。

[齊藤由希,MONOist]

 5月が終わります! 1週間、お疲れさまでした。東京は梅雨入りかと思うジメジメした日々から一転して、夏の気配です。カラッとした日も多く、気持ちよく過ごせますね。洗濯物がパリッと乾くのはうれしいです。家にいる時間が長すぎて、1週間の個人的なハイライトが「洗濯物が乾きやすい天候が続いたうれしさ」になってしまいました。

 とはいったものの、今週も自動車業界ではさまざまな出来事がありました。まずは先週末のことですが、トヨタ自動車の水素エンジン搭載車が24時間耐久の「スーパー耐久シリーズ」を完走しましたね。直前の決算会見では、水素エンジンにどの程度本気で取り組んでいるのかと記者から質問され、トヨタ側の出席者が「本気でなければやらない」というように回答していました。

 24時間を完走したものの、水素の充填(じゅうてん)の回数は35回にも上ったのだそうです。1回の水素充填で走行できる距離にはまだまだ限度があるようです。また、水素タンクや安全対策でベース車両よりも200kgも重量が増えています。さらに、水素を吸収した金属がもろくなってしまうことへの対策も必要だとされています。

 量産に向けた道のりは長そうですが、エンジン音を聞くと、やはり乗ってみたくなります。内燃機関至上主義というわけではありませんし、パワートレインを繊細に理解できるわけではありませんが、乗るとどんな感じなのか気になってしまいますね。運転したくて運転するという人がいなくならない限りは、運転してみたいと思わせる何かを持ち続けてほしいですね。

水素エンジンの音(クリックで再生) 出典:トヨタイムズ

 もう1つ気になったニュースは、テスラ(Tesla)が北米向けの「モデルY」「モデル3」からミリ波レーダーの搭載を取りやめたという話題です。将来的にカメラのみの自動運転システムに移行する……という話ではなく、2021年5月の納車分から既にミリ波レーダーが搭載されていないというのです。

 テスラはもともと、自動運転や運転支援のための周辺環境認識をカメラのみでやるという方針を示していましたが、それにしても急なのではないかという印象が強いです。ミリ波レーダーを搭載していないモデルYやモデル3では、しばらく運転支援機能が制限されるからです(制限された機能は後日、ソフトウェアアップデートで修正されるとのこと)。周辺環境の認識にどの方式のセンサーをどれだけ使うかは、自動車メーカー各社が試行錯誤する領域ですし、カメラのみで自動運転をやろうとすることはモービルアイ(Mobileye)なども考えていることですから、それ自体には何の問題もありません。

 ただ、クルマを購入した人や購入を検討している人が「このクルマではどの機能まで使えるんだろう」と不安になるような仕様の変更は、いかがなものでしょうか。オンライン販売を全否定する意図はありませんが、販売店があって買った人に担当営業がつく体制であれば、疑問や不安を解消しやすくていいのかもしれません。

 新し物好きが、楽しみながら調べ尽くした上でオンライン購入するのであれば、購入後に何かあっても自分で調べたり、根気強く問い合わせたりできるでしょう。しかし、今後ユーザー数が増えていくといろいろな人がクルマを買いに来ます。全員にオンラインで十分な応対ができるのでしょうか。オンラインのサービスを使いこなせるかどうかという問題ではありません。誰が読むのか、いつ返事が来るのか分からない問い合わせフォームに書き込むのではなく、「この人に聞けばなんらかの返答が得られる」という安心感がほしい人は一定数いるのではないでしょうか。

オンラインの展示会って正直どう思いますか?

 さて、横浜でも名古屋でも中止になってしまいましたが、人とくるまのテクノロジー展(人テク展)がオンラインで開催されています。コロナ禍も2年目になり、さまざまなイベントが実際の会場を訪問するスタイルからオンラインに移行しましたが、オンラインイベントって正直なところどうでしょうか? 有意義に活用できていますか? SNSなどでは冗談めかして「出張を兼ねて展示会に行けるのがよかったのに」「ノベルティをもらえるのが密かな楽しみだったのに」などという声を見かけます。私も、実際に行ける展示会が懐かしいです。

 特に残念なのは、実物を見られないことと、説明員の方とお話しできないことですね。パネルだけでなく、実物があるからこそ興味深い発見と出会うことは多いです。また、実物を見て知っておきたいという気持ちもあります。オンライン開催でも出展企業に問い合わせることはできますが、すぐそこに立っている説明員の方に話を聞ける気軽さがなくなるのは残念です(記者なんかに長々と質問されてもうれしくないかとは思いますが)。

2021年はオンラインのみでの開催となってしまいました 出典:自動車技術会
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