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» 2013年12月27日 11時50分 UPDATE

プロダクトデザイナーが見た東京モーターショー2013:トヨタの分かりにくさ、BMWの分かりやすさ (1/7)

「東京モーターショー2013」における各自動車メーカーの展示内容やコンセプトカーをプロダクトデザイナーが斬る。トヨタ自動車/レクサスブースと、BMW/MINIブースの展示内容から感じたこととは?

[林田浩一(林田浩一事務所),MONOist]
プロダクトデザイナーが見た東京モーターショー2013

 前回(2011年)の「世界はクルマで変えられる」から、「世界にまだない未来を競え。/Compete! And shape a new future.」をテーマとして開催された「東京モーターショー2013」。東京ビッグサイトでの開催も2回目となり、来場者数は前回の84万2600人を7%上回る90万2800人で閉幕したとのこと。

 今回の展示でも、米国車はTesla Motors(テスラ・モーターズ)1社を除きなし、イタリア車なし、日頃路上ではめったに見ることのない超高級車や、先端技術をてんこ盛りにしたようなスーパーカーもなし。東京モーターショー2013の前に開催されていた「フランクフルトモーターショー2013」の様子と比べると、同じ国際モーターショーということでも「世界にまだない未来を競う」にもちょっと寂しいかな? と出掛ける前には思わなくもなかったけれど、会場を歩いてみると、各社が表現する未来の幅に発見もあり、お祭り的なものとは少し違うけれど、活気を感じるものだった。エコカーの選択肢が広がっているという、前回と比べての市場環境の変化も、今回の東京モーターショー2013に活気を感じた要因にあったと思う。

 それでは前回のリポートと同様に、今回もコンセプトカーやブースでの見せ方などから、各社のブランド戦略やデザインの使い方といったものを眺めてみた。

 なお、以下にある見出しタイトルから、各社の展示を紹介したページに直接アクセスできるので活用してほしい。


前回と同じくトヨタとBMWをセットで眺める

 前回のリポートでも、トヨタ自動車とBMWの展示内容をセットで紹介した。今回の東京モーターショー2013までの間に、両社が業務提携を締結し、近しい間柄になってきたのは大きな変化と言っていいだろう。その関連もあるのか、今回はトヨタグループでブースをまとめるのではなく、トヨタ自動車とレクサスのブースの間に、BMWとMINIが入るという会場配置だった。トヨタ自動車の隣はMINI、レクサスの隣はBMWという並びも意図されたものなのであろう。そんなことを考えながら、トヨタとBMW、両グループのブースをセットで眺めていた。

 まずはレクサス。「AMAZING IN MOTION」を掲げ、「スピンドルグリル」、「エモーショナルな走り」、「先端ハイブリッドの充実」といったものがその要素とのことで、それを体現するものとして、今回ワールドプレミアで公開されたスポーツクーペ「RC」とコンパクトクロスオーバーSUV「LF-NX」という2台のコンセプトカーが展示の核となっていた。いずれも主張の強いスピンドルグリルと複雑に凝った造形面の組み合わせという構成で、「革新的なブランド」としてのカタチや「他ブランドのクルマとは違う」という印象を作ろうとしているということでは意図は分かる。しかし、ブランドのらしさ表現ということでは、まだ模索段階という感じもあり、どことなく腑に落ちない印象だったので今後の変化も見ていきたいところ。

sp_131227tms_design_report_01.jpgsp_131227tms_design_report_02.jpg レクサスのスポーツクーペ「RC」。フェンダーを始めとして複雑な面で構成されている(クリックで拡大)

 また、限定生産で既に販売を終えたスポーツカー「LFA」も展示されていたが、せっかく展示するのであれば、手作り部分の多い少量生産ビジネスとしてのLFAの未来についてもプレゼンテーションがあればよかったと思う。LFAのようなクルマを買ってくれた顧客へ、レクサスはどのような関係性を維持するブランドであるのかというようなメッセージでも見えると、「今は買えないクルマ」を市販車と一緒に並べておく意味もより強くなるのではないだろうか。

 一方、トヨタ自動車。こちらの方の各コンセプトカーは、クルマそのものというより、トヨタ自動車としての未来への選択肢表現という印象だ。前回のスマホみたいな「FunVii」と同じようにかなり先の未来観を感じさせる「FV2」、新しいモビリティとしての「i-ROAD」、2015年から市販する燃料電池車「FCV CONCEPT」、タクシーをリデザインする「JAPAN TAXI」が展示された。

sp_131227tms_design_report_03.jpgsp_131227tms_design_report_04.jpg トヨタ自動車の「FV2」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
sp_131227tms_design_report_05.jpgsp_131227tms_design_report_06.jpg トヨタ自動車の「FCV CONCEPT」(左)と「i-ROAD」(クリックで拡大)

 これらのコンセプトカーが展示ブース全体に配置されていると、レクサスのデザインとは対照的に、個人で所有するクルマというよりカーシェアリングのような半公共物としてのクルマという雰囲気をどことなく感じたのは筆者だけだろうか(JAPAN TAXIはともかくとして)。

 ある意味強烈なレクサスブースを見た後、このトヨタ自動車ブースを見ていると、FCV CONCEPTやFV2がテクノロジー活用のショーケース的な雰囲気が強いのか、トヨタが考えるパーソナルモビリティは、所有より公共利用の方に注目しているのかもしれない……などと思ったりもしたのだが、後からプレス資料やブリーフィングのビデオを視聴したりしていると「クルマを単なる移動手段にしない」「所有する喜び、運転する喜び、コミュニケーションの喜び」といった言葉が出てきて、コンセプトカーとのギャップを感じてしまったのが正直なところ。

 そういったことからも、今回のレクサス/トヨタ自動車ブースは、「分かりにくい」とか「クルマはあるけど人が見えにくい」というのが筆者の印象だった。

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