「Raspberry Pi 2」をイジリ倒す(基礎編1)、まずはOSを入れるのだラズパイ2で遊ぼうぜ(1/3 ページ)

手のひらサイズマシン「Raspberry Pi」のバージョンアップ版、「Raspberry Pi 2」が登場した。Raspberry Piではどのようなことができるのか、今回はまずOSインストールするまでを紹介する。

» 2015年03月17日 11時00分 公開
[作倉瑞歩MONOist]

Raspberry Piが機能強化、バージョンアップして登場

 読者の中にはすでに手にしている人も多いであろう「Raspberry Pi 2」。「Raspberry Pi」は2012年2月に登場して以来、“名刺サイズのポケコン”として人気を博し、一時期は半年以上購入できないほど品薄になったというマシンだ。

 これまでのシリーズでは、「Raspverry Pi Model A」「同Model A+」「同Model B」「同Model B+」など、2系統4種類のデバイスが提供されており、それぞれに進化をしてきたのだが、2015年に入ってから「Raspberry Pi 2 Model B」(以下、Raspberry Pi 2)が発売された。両者ともBroadcomのSoC(ARMコア)を心臓部に持ちながら、Raspberry Pi 2は1コアのBCM2835からクアッドコアのBCM2836に強化されるなど、スペック面でかなりの強化を遂げている。

・連載:ラズパイ2で遊ぼうぜ

今回評価したRaspberry Pi 2 Model B

 なお、これまで廉価版のModel Aと通常版のModel Bとでは「+」バージョンも含めて基板上のパーツ配置や内容が微妙に異なるのだが、Raspberry Pi 2では、USBポートやHDMIコネクタ、LANコネクタなどの位置は、前モデルのRaspberry Pi Model Bを踏襲している。スペックを比較すると以下のようになる。

概要 Raspberry Pi Model B+ Raspberry Pi 2 Model B
SoC Broadcom BCM2835(CPU、GPU、DSP、SDRAM、USB) Broadcom BCM2836(CPU、GPU、DSP、SDRAM、USB)
CPU 700 MHz/ARM1176JZF-S 1コア 900MHz/ARM Cortex-A7 4コア
GPU 250 MHz/Broadcom VideoCore IV/OpenGL ES 2.0(24 GFLOPS)/MPEG-2、VC-1(ライセンスが必要)、1080/30p H.264/MPEG-4 AVC High Profileハードウェアデコーダ・エンコーダ
メモリ(GPUと共用 * ) 512MB 1GB
USB2.0ポート 4(LAN9514内蔵ハブ)
映像入力 15ピンMIPIカメラインタフェース (CSI)
映像出力 コンポジットRCA(PAL/NTSC)、HDMI 1.3/1.4
音声出力 3.5 mm ジャック、HDMI、I2S
ストレージ microSDカード
ネットワーク (RJ45) LAN9514(10/100 Mbpsイーサネット)
低レベル周辺機器 GPIOヘッダピン40ピン
電源 600mA(3.0W) 900mA(4.5−5.5W)
電源 5V/microUSB またはGPIO
質量 45g
大きさ(コネクタ部の突起を除く) 85.60(L)×56.5(W)
公式に提供されるOS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS、Windows 10

 上記のスペックで1番目を引くのが、CPUのクアッドコア化とWindows 10への対応だろう。加えてマシン的には内蔵メモリが増えたこともあってか、起動時間がClass 10のmicroSDカードだと実測で30秒程度とかなり早い。

 また目を引くのがWindows 10の対応だ。マイクロソフトは2月になってRaspberry Pi 2へのWindows 10対応を表明。2015年末までに無償提供される予定となっている。どのような機能が搭載されるのかは分からないが、これでより一層Windows PCとの連携を深めることができ、IoT(Internet of Things)デバイスとしてのRaspberry Piのポジションが重要性を増すことになるだろう。

システムダウンロードのコツ

 ではこれからは、Paspberry Piを触ったことがない人を含めて、一通り最初からおさらいしていきたいと思う。まずはOSのインストールから始めよう。

 Raspberry PiのOSはDebianをベースにした「Raspbian」だ。システムは事前にROMにインストールされておらず、インストーラである「NOOBS」をダウンロードで入手した後、Raspberry Piに用意されているmicroSDカードスロットを利用してインストールすることになる。

 NOOBSについてはラズベリー財団のページからダウンロードすることになるのだが、ファイルサイズが約740Mバイトある上、どうもサーバの能力的に強くないようで速度は上がらず、夜間にダウンロードを試みるとタイムアウトしてしまうこともあった。

 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)によって、ミラーサイトが用意されているので、こちらを利用した方がよいだろう。試した限り、こちらの方が快適にダウンロードできる。ちなみにChromeでアクセスするとセキュリティ警告が出て、つなげられない場合がある。そのときはIEやFirefoxなどで試してほしい。

ラズベリー財団のダウンロードページ
北陸先端科学技術大学院大学のミラーサイト。すべてのバージョンがそろっている

 入手したZipファイルを解凍して、全てのファイルをmicroSDカードにコピーしたら、いよいよRaspberry Piの起動準備に入る。microSDカードだが、最低でも容量は8Gバイト、スピードクラスはClass 10を用意してほしい。留意すべきはスピードクラスで、Class4のカードだと体感できるレベルで起動速度が低下する。

*) 初出時、搭載メモリ量について誤記がありましたので訂正いたしました(2015/5/7)。

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