特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年11月28日 11時00分 公開

ものづくり白書2019を読み解く(2):第4次産業革命で製造業の取るべき戦略、データサービスと重要部素材のシェア獲得 (1/6)

日本のモノづくりの現状を示す「2019年版ものづくり白書」が2019年6月に公開された。本連載では3回にわたって「2019年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第2回となる今回は、2019年版ものづくり白書が提示する4つの戦略の内、「世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供」「第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得」について詳しく掘り下げていきたい。

[長島清香,MONOist]

 2019年6月に公開された「平成30年度ものづくり基盤技術の振興施策」(以下、2019年版ものづくり白書)を読み解く本連載。第1回の「データで見る日本の製造業の現況と、日本を取り巻く3つの潮流」では、日本の製造業の現状についてデータを用いながら確認するとともに、「第4次産業革命の進展」「グローバル化の展開と保守主義の高まり」「ソーシャルビジネスの加速」という日本を取り巻く3つの潮流について説明した。

photo 図1:日本の製造業を取り巻く3つの潮流(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 2019年版ものづくり白書の総論では、これら日本の製造業を取り巻く環境変化や潮流を踏まえ、第4次産業革命下における日本製造業の競争力強化につながる戦略として以下の4つを示している。

  1. 世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供
  2. 第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得
  3. 新たな時代において必要となるスキル人材の確保と組織作り
  4. 技能のデジタル化と徹底的な省力化の実施

 第2回となる今回は、2019年版ものづくり白書が提示するこれら4つの戦略のうち、「世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供」「第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得」について詳しく掘り下げていきたい。

世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供

 本連載の第1回で示したように、日本の製造業において技能人材の不足が大きな課題となる中、「製造・生産現場の技能のデジタル化に取り組んでいる」あるいは「取り組む意向がある」とした企業は86.1%に上っている(図2)。

photo 図2:製造・生産現場のデジタル化に取り組んでいるか(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 一方で、AI(人工知能)やロボット、IoT(モノのインターネット)などの第4次産業革命下の技術実装について企業規模で比較すると、大企業ではデータ収集を行っている割合が84.6%であるのに対し、中小企業では56.8%と20%近くの差があることが分かる(図3)。

photo 図3:企業規模別の、生産プロセスにおいてデータ収集を行う企業の比率(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書
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